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ある日ある時、ある世界で
INNOCENT's World : Side of her
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力弾は、もはやその程度でどうにかなるような数ではなく……そして。

「行け! “スターダスト・フォース・ウィンド”!!!」

 紗那の叫びと同時に無数の苦無や手裏剣、針といった様々な形状の全ての魔力弾が一斉に疾風に押し寄せ、彼はそれに押し潰されて敗北した。







「えげつねぇえええ!!!」

「ふふっ、勝った♪」

 さて、ゲームが終了して再びコミュエリアの休憩スペース。全く知らないスキルに撃墜された疾風はかなり悔しがっていた。

「いつの間にあんな技習得したんだ!?」

「実はさっき入手したスキルカードってあれだったんだ。えっと……はい、これ」

 と、紗那が見せてくれたのが例のスキルカード“スターダスト・フォース・ウィンド”。あらかじめ周囲に展開しておいた魔力弾や武器を敵に向けて一斉に射出する、というとんでもない必殺技だった。しかもどうやら誘導性を持たせることすら可能らしい。凄まじい威力だがそれもそのはず、レアリティが現在確認されている一番上のR+である。

「射出する対象は魔力弾だけでなく武器やビットも含まれ、周囲に展開した数だけ威力が増す……か。すげぇなこりゃ」

「でもその分バラ撒いた魔力弾の維持にも魔力を持ってかれるから、ちょっと使いどころが難しいかも。あんまり増やし過ぎると動く方に集中できなさそうだし」

「なるほど、だから途中から刀でしか攻撃してこなかったのか」

 と、疾風は納得していたが、彼女の勝因はそれだけではないということもわかっていた。撃ち損じていた(もしかしたらそれすら誘導だったのかもしれないが)魔力弾を消さずにいたのは技発動のためだろうが、それと気付かせないために魔力弾を蹴り飛ばしてきたのは彼女の機転だ。そして途中から刀をダガーモードにしてラッシュに転じたのも、魔力弾の位置を調整しつつ疾風を設置位置まで誘導するための策だったのだろう。やはり、二つ名持ちだというだけのことはある。

「いやぁ、負けたぜ……こりゃ、対策考えんのが大変そうだ」

 紗那にカードを返しながら疾風が悔しそうにぼやくと、紗那はクスクスと笑った。

「とか言いながら、もう考えてる真っ最中なんでしょ? 顔が笑ってるよ」

「……まぁ、な。俺だって今回使わなかった切り札はあるし。覚悟しとけ、次は破ってやるよ」

「そうはいかないよ、次も負けないんだから」

 そう言って二人とも笑う。お互いに挑戦的な言葉を投げかけあい続けて譲らないが、表情は笑顔だ。向かい合う疾風と紗那は、とても楽しそうで……しかしさっそく頭の中で、相手への対抗策を練り始めていた。これまでも彼らは幾度も戦い、勝ったり負けたりした。しかし負けて悔しい思いをすることはあっても相手を恨むことはなく、ただ次に向けて努
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