暁 〜小説投稿サイト〜
ある日ある時、ある世界で
INNOCENT's World : Side of her
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使いすぎてスキル……“バーチカル・フォース”のクリーンヒットもらっちゃったの……」

「そりゃまた、とんでもない奴だな……それホントに素人か? ただの上級者だったりとか……」

「うーん……それは私も考えなくはなかったけど、最初のあの動きはどう見てもニュービーだった。飛べなくて転がってたもん」

「へぇ……そいつのアバタータイプは?」

「それなんだよ、それ!」

 と、疾風の言葉にガバッと顔を上げる紗那。驚いて少し飛び上がった彼に構わず、紗那は凄まじい語気で捲し立てた。

「見たことないけど背中に羽が生えた珍しいアバターだったから調べたら……期間限定配信のやつだったの! しかも一番新しい!」

「一番新しい……っつーと、アルヴヘイムフェスってイベント配信の……」

「そう! SナイツシリーズのRレアカード!」

 アバタータイプとは、デュエリストが用いるアバターカードの属性のようなものだ。種類は“ミッドチルダ”、“ベルカ”、“インダストリー”の三種類で、ベルカはミッドチルダに強く、インダストリーはベルカに強く、ミッドチルダはインダストリーに強い、という三すくみの関係がある。もっとも、多少のダメージボーナスがあるだけなので苦手なスタイルに遭遇したら絶対に負けるということはないが。またアバターのリリース情報は当然ゲームの運営から告知されるので、特徴さえ覚えておけば今回のケースのように戦った敵のスタイルを知ることが可能になる。

 またブレイブデュエルのアバターカードは、通常ラインナップに加えて期間限定で特殊なアバターもローダーで配信される。紗那が戦ったデュエリストが使用していたアバターは、最近配信開始されたばかりのアルヴヘイムフェスというイベント期間限定のもの。それを使用しているという事は、すなわち……

「最近になって始めたばっか……ヘタすりゃ初プレイレベルの超初心者……ってことか」

「……そうなんだよぅ……」

 疾風の言葉でトドメを刺されてしまったように、上げていた顔を再び伏せて机に突っ伏す紗那。そんな彼女に苦笑しつつ弁当を食べ終えた疾風は自分の端末を制服から取り出し、ブレイブデュエルのサイトに移動する。そのデュエリストがデイリーで何らかのランキングに載っていれば、何か情報を得られるかもしれないと思ったからだ。

「ちなみにそいつのキャラネームは?」

「えっと……“ユウキ”、だったかな? ……ランキング調べてもダメだよ、載ってはいるけどプロフィール全部空欄だから……はぁ……」

 と、ため息を吐きつつも言葉にしたことでスッキリしたのか、紗那も自分の弁当を広げて食べ始める。疾風は肩をすくめて端末を胸ポケットにしまい、食後に飲もうと買っておいたコーヒー牛乳のパックにストローを刺して飲む。その
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