第5話「きゅうめい」
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うだ!あの子達は!?」
「....俺は、先生しか見ていません。」
「....そう....。」
無事でいるか不安なのだろう。“あの子達”と言っている所を見るに、俺と同じ生徒だろうし。
「とにかく、これを食べてください。二日も眠りっぱなしだったんですから。」
「....えぇ...。」
レーションの準備が終わったので、先生に渡す。
「...あなたは、今までどうやって生きてきたの...?」
「俺ですか?...そうですね。熱が収まり次第、家にある武器と非常食を持って学校まで来ました。それで、学校で風邪をぶり返したせいで噛まれたんですけど、奇跡的にここにある薬まで辿り着けたので、それを使ってからはとりあえずここで生活をしてました。」
そう言いつつハンドガンを取り出す。ちゃんと点検もしておかないとな。
「っ...!?それは...!?」
「家にあった武器です。...親父が、軍人だったので、多分そのせいだと思います。おかげで助かっていますが。」
「そ、そう...。」
俺はよく親父のを見てたから慣れてるが、やっぱり本物の銃って驚くものなんだな。
「俺の場合は、相応の武器があったからよかったんですけど、佐倉先生は良く無事でしたね。...いえ、こうして一度噛まれた時点で無事とは言い難いですが。」
「噛まれた....っ、あれ...?感染、してない...?」
「ワクチンを既に打っておいたので。」
「....あ、そうだったのね...。」
...あれ?なんでワクチンの事知っているような口ぶりなんだ?
「もしかして...佐倉先生、これ持ってますか?」
もしやと思い、緊急避難マニュアルを見せる。
「これは....!?...工藤君は、これをどこで...?」
「...教頭先生の物です。」
「教頭先生の...?」
歯切れ悪くする俺に怪訝な顔をする佐倉先生。
「...自殺してたんですよ。多分、マニュアルに書いてある事の罪悪感に押し潰されて。」
「っ、自殺...!?」
「こことは別の個室で首を吊って....です。」
さすがに自殺してしまってた事に驚きを隠せない先生。
「...佐倉先生も、持っているんですね。」
「...職員室にね...。私も、これを見た時どうにかなりそうだったわ...。」
元々このパンデミックは想定されていた事...だもんな。
「....先に言っておきますが、佐倉先生は責任を負う必要はありません。」
「えっ...?」
「佐倉先生は多分、表紙の指示通りこのパンデミックが起きるまで中身を見ていなかったでしょうし、いくら想定されていたとはいえ、一般人の佐倉先
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