第5話「きゅうめい」
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......ここまで......だから......。)」
微かに残っている記憶に、誰かと遭遇したようなものがある。だけど、どの道私はここまでだ。...だけど、もし、私の願いが叶ってくれるなら...。
「(また......あえるかな......?)」
あの優しいあの子達に、また、会いたい....。
「.....ぅ....う....。」
意識が戻る。...ありえない。私の生存はもう絶望的だったはず...。
「こ、ここは....?」
薄暗くて、辺りが良く見えない。...どこかの部屋のようだ。
「...明かり?」
ドアがあり、そこの小窓から明かりが漏れている。
「誰かいるのかしら....?」
そう思って、立ち上がろうとした所で、扉が開けられる。
「っ....!」
「ぇ....男の人?」
入ってきたのは、動きやすそうな服を着た、男の人だった。
=遼side=
看病しに佐倉先生を寝かせている部屋に行ったら、佐倉先生が目覚めていた。
「...目が覚めたんですか?」
「えっ、あの....あなたは...。」
っと、部屋の電気を付けてなかったな。
「3年B組、工藤遼です。」
「工藤...君?生きていたんですか...?」
....あー、そっか。佐倉先生からしても、生存者がいるなんて考えられなかったもんな。
「パンデミックが起きた日、熱で家にいたんです。それで、学校に避難してきました。」
「い、家から!?よく一人でこれましたね!?って、きゃっ...!?」
俺の言葉に驚いた佐倉先生は、身を乗り出そうとして体勢を崩す。
「安静にしてください。丸二日眠っていたんですから。」
「ふ、二日も...。」
そんなに眠っていたのだと驚愕する佐倉先生。
「あ、あの、ここは....。」
「ここは学校の地下にある避難区画です。先生の感染もここの薬で治しました。」
先生の質問に答えつつ、俺はレーションを取り出す。
「ここが...。」
「食料に生活設備がしっかりと整っています。ここなら数ヶ月は楽々過ごせるでしょう。」
「....そうね....。」
...うん?なんか、ここが避難区画だと分かってから複雑な顔をしているな...。
「....俺の方は俺しか助かってませんが、そちらは他にもいたんですか?」
「っ...えぇ、私の他に、三人....。」
俺が地下にいた間、四人もいたのか...。全然気づかなかったぜ...。
「っ、そ
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