第5話「きゅうめい」
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ッサージだけでは心許ないので、一応謝り、口を付け人工呼吸も行う。
「っ..!っ...!」
それを何度か繰り返し、もう一度呼吸を確認する。
「...ふぅ....。」
なんとか、息を吹き返す事はできたみたいで、一安心する。
「...こりゃ、探索に戻る暇はないな。」
助けられるか分からない命か、一緒に居れば助けられる命なら俺は後者を取るからな。このまま佐倉先生の看病をしよう。
「....そうだ。そう言えば、このワクチンって、どこまで効くんだ?」
翌日になってもまだ目覚めない佐倉先生を看病しつつ、ふと俺はそう思った。
「俺の感染は風邪で誤魔化されてたが、そこまでひどい所まで行ってなかったはずだ。...佐倉先生のは、ほぼゾンビ化しかけていたし、ワクチンを打っても衰弱していた...。」
完全にゾンビ化した相手にはどうなるんだ?
「...今の所佐倉先生の容態は安定している。...少し確かめに行くか。」
一階に徘徊しているゾンビを一体捕まえるか。
「...と、言っても、致命傷を負ってる奴は意味ないよな....。」
佐倉先生や俺みたいに、腕に噛まれて感染した奴とかじゃないと...。
「っと、早速発見!」
いい所に一体だけいたので、早速足払いを掛けて組み伏せる。
〈ガァアアアア...!〉
「薬、薬...。」
鞄から薬を取り出し、注射器で打つ。
「...どうだ?」
ジタバタと暴れていたゾンビは、大人しくなる。....が、
「....既に死んでいる...か。」
さすがに完全にゾンビ化したら無理か?脈を測っても既に死んでいる事が分かった。
「....そう、都合よくはいかないか...。」
佐倉先生もあそこまで衰弱していたし、例え生きていても衰弱死が待ってるだけだろうしな。
「さて、戻るか。」
その後は、避難区画に戻って佐倉先生の看病を続けた。
―――結局、この日も佐倉先生は目覚めなかった。
=佐倉慈side=
....ふわふわと、夢の中にいるような感覚だ...。
「(私は...死んじゃったのかな...?)」
噛まれて生きているはずがない。下手に生きていてもそれは彼らの仲間としてだろう。
「(ゆきさん、くるみさん、ゆうりさん......。)」
心残りはほとんどないが、やっぱりあの子達が心配だ。
「(ごめんね......みんな。)」
....でも、もう会えない。
「(せんせい
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