止められぬ戦乱
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れて、黙っているわけがないじゃないですか」
余裕を持った表情で月読に向かって歩を進めるひろし。
反対に月読の表情には目に見えて焦りが増えていく。
「電話中だったみたいですね? どうぞ続けてください」
にこやかな笑顔すら浮かべて、徐々に月読を追い詰める。
落ち着け、と月読は自分に言い聞かせる。相手は人間で、しかも子供だ。仮にも魔人である自分が勝てないわけがない。支配力が強く、権力争いで勝てるものはいなくても戦闘力は皆無のはずだ。
月読の能力は『イガグリ真拳』。
月読の小陰核に見入った相手を含み針で貫く能力だ。子供とはいえ、男性である以上ひろしも月読の豊満な身体に興味を示すはず。
一瞬でそこまで判断した月読はスカートを下ろし、下着を脱いだ。
瞬間、月読は動けなくなった。
「な、何ィ――――――!??」
まるで、全身の感覚を奪われたようだった。下着を下ろそうとした腕が、指が動かない。
そのままの体勢で、月読零華の頭は血飛沫と鈍い音を撒き散らしながら十数個の肉片となり、校長室内に飛び散った。
「さようなら、校長先生」
頭の無くなった月読零華を冷たい目で見ながら、そう呟いた。
直後に、無線に連絡が入った。
「みのるくんか。もしもし」
『ひろしくん、無事に終わったよ。こちらの犠牲はゼロだ』
◆
月読零華の頭が砕かれた頃とほぼほぼ同時刻に魔人小隊の最後の一人であったESの胸も貫かれていた。
抜き手でESの心臓を破壊したのはひろしの部下魔人の一人であるマーヤ。まあやちゃんと呼ばれている。ついさっきまで自身の拷問能力で凄惨な情報収集を行っていた。
ESが抵抗出来ないように自身の能力『スタチューアクト』で動きを奪っていたのはよしおくんことパントマイムよしお。同じくひろしの部下魔人だ。その能力は魔人小隊殲滅作戦の要となるほどに強力なものであった。
「ほんとにすごいわね。よしおくんの能力。その強さを覇権争いの時に活かせなかったのかしら」
「仕方がないだろ。僕のスタチューアクトは野望を諦めたおかげで余裕が出来たんで始めたパントマイムから生まれたんだから」
ちなみにマーヤの拷問能力も彼女が覇権争いの時に見せた極悪非道さをさらに非人道的な方向に発展させた結果生まれたものだ。
「じゃあ、かえでちゃん。みのるくんに伝えてくれ。今得た情報も全部」
その言葉を聞いた今までただ立っているだけだった少女、かえでちゃんと呼ばれた綾崎楓はこくりと頷いて去っていった。
そして今、みのるくんこと諏訪原ミノルがひろしに連絡を取り、報告をしている。
「ひろしくん、無事に終わったよ。こちらの犠牲はゼロだ」
『わかった。ご苦労だったね、みのるくん』
「僕たちはどうってことないよ。一番大変だったのは作戦を考
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