2部分:第二章
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なった。顔全体がいぶかしむものになっている。
「何が何だか」
「いや、こっちの話」
役人はこれ以上ワレサには話さなかった。
「とりあえずあんたには後で褒美があるだろう。ではな」
「褒美ですか」
「それだけじゃ。後は何の関係もないからな」
「ですか」
ワレサにとっては何が何だかわからないまま話は終わった。それから暫くして彼がいる川を兵隊やら馬が船で通った。ワレサが漕ぐ舟よりも遥かに大きい船が幾つもであった。
「戦かな」
そう思った。だがその時はそれだけだった。とりあえず自分のいるところで起きるのではなさそうだからそれでよかった。だが暫くしてから彼は役人の口からとんでもないことを聞いたのだった。
「反乱が起こるところだったのが」
「反乱といいますと」
「実はな、三つの領主の家が謀反を企てていたのだ」
役人は川辺でワレサに対して話をしていた。前に言っていた褒美を渡すついでのことだ。川のほとりに二人並んで座り弁当を食べながら話をしている。
「謀反をですか」
「もう少しで兵が集まるところだった。それより先に叩くことができた」
「危ないところだったんですね」
「うむ。前から怪しいと思われていたがな。密偵も入っていた」
これもまたワレサの知らない話だった。
「密偵もですか」
「そうじゃ。まあわしも連絡役をしておった」
今だから話すことであった。
「実はな」
「そうだったのですか」
「そうじゃ。それで彼等が謀反を企てているとはっきりわかったその時を知らせるその合図が」
「あの三つの紋章ですか」
「その三つの家の紋章だったのじゃ」
だからなのだった。彼があの三つの紋章を見て驚いたのは。
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