第28話
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宝ャ、風、桂花の順に捲くし立てられ、開き直り気味であった袁紹はたじろいだ。
元々、三台の馬車は奇襲を受けたとき、相手を撹乱するために桂花が用意したものだ。
可能性は極めて低いが万が一賊等に襲われた場合、主である袁紹の居場所を隠すのが狙いだ。しかしそれも、袁紹が馬車を飛び出したことで効力を失ってしまった。
黄巾以来の大行軍にテンションが天元突破した彼は、秘密裏に持ち込んでいた折りたたみ式御輿と、その担ぎ手達と共に先頭に移動。『一生に一度はやってみたい事集 著・袁本初』に記された一つ『全速前進DA!』を行っていた。
それもご丁寧に、天和達から借り受けた拡声器を使用して。
「お兄さんには、お仕置きが必要ですね〜」
「ちょっと風、なにもそこまでは……」
「甘いですよ桂花さん、少しくらい痛い目を見ないとお兄さんはまたやらかします」
風の言葉にギクリと肩を震わせた袁紹を見て、擁護気味だった桂花の目が細められる。
「……それもそうね」
「そうですよ〜ではお兄さん、目的地に着くまでお膝を拝借」
「む?」
「ええっ!?」
驚く桂花を他所に、風は素知らぬ顔で袁紹の膝の上に収まる。これではいつも通りである。どこが罰なのだろうかと袁紹が疑問に思っていると――
「ちょっと風! それのどこが――」
「罰はここからですよ。さぁ、桂花さんもどうぞ」
「……ちょ、ちょっとま――」
右ひざに移動し左を差し出す風。彼女のその行動に嫌な予感がし、袁紹は制止を呼びかけようとしたが時既に遅し。
「し、失礼します!」
「ぐぉっ!?」
風の意思を理解した桂花は、そのまま袁紹の左ひざに腰を落とす。
――重い! その言葉をなんとか飲み込む。名族として、一人の紳士として、そしてなにより。そのような言葉を婦女子に投げ掛ける訳にはいかない!
とはいえこのままもまずい。いくら小柄とは言え片膝に一人ずつなど、馬車の揺れも重なり袁紹の膝は悲鳴を上げていた。
とりあえず二人を何とか説得――しようとしが駄目だ。桂花は林檎のように赤くなり此方に反応を示さず、風に至っては意味深な笑みと共にこの事態を楽しんでいるようだ。
――自力の脱出は不可能。何故か此処に至って冷静な袁紹は、協力者を求めようと視線を動かした。
ちなみに武官達は皆、自分の部隊を率いて行軍している。馬車内にいるのは袁紹達三人のみで、音々音は本人たっての希望により恋と共に騎乗していた。
これらの事を踏まえ、袁紹は馬車の窓に目を向け――瞬時に逸らす。何故なら、馬車を警護する親衛隊の面々が血涙を流して見ていたから。
袁紹にとっては仕置きでも、他者からみれ
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