月下に咲く薔薇 16.
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る。
元々、不動の次元獣もどきならば灼熱ホーンは手数に入っていまい。
味方機の安全も確保した、完璧な攻撃封じだ。
勿論、艦首の刃だけではDフォルトの突破は困難な為、多色の防壁光が暗中に瞬くのみだった。
それを、ゼロの戦術がカバーする。
『ダイグレン、そのまま艦首で押し続けろ! 他の者は全機、5秒毎にストライクフリーダムと同じ場所へ集中砲火! 2カ所への同時攻撃で飽和状態になれば、Dフォルトは必ずや突破できる!!』
これならばいける。クロウの中で、手強いDフォルト突破の瞬間が目に浮かんだ。
『おや。高出力機ばかりを揃えてきましたか』渋々退散する茎から、アイムの関心がZEXISの地上部隊へと移る。『しかし、ダブルエックスの姿がありませんね。月は出ているというのに』
クロウも、内心それは気になった。ガロードとティファが搭乗するガンダム・ダブルエックスは、ZEXIS最強の武器ツイン・サテライトキャノンを装備したZEUTHのMSだ。
月の位置如何で使用の可不可が決まる欠点を持ちながらも、その長射程と桁外れの大火力で文字通りZEXISの未来を切り拓いてきた。コクピットに座る未成年者達は、トリガーの重さも必要な覚悟もよく心得ている。
そのガロードが姿を現さないとは。ティファ絡みでなければ良いのだが。
「取り敢えず、てめぇには関係ない事さ。さっさと忘れろ、アイム」
『これは忠告ですよ。引き際を心得ていない敵を相手にしているあなた方への』
『その思わせぶりな物言いも、かえって別な意図があると受け取りたくなる』アイムが手持ち無沙汰になったからか、再びジェフリーが話しかけた。『この戦場の要は、アリエティスだ。クロウのブラスタもそうだが、アリエティスのエネルギーも無限ではあるまい。…先程、敵にアリエティスを捕獲されかけた時、どれだけのエネルギーを失った?』
『えっ…!?』
シンやロックオンのみならず、地上で攻撃に集中しているパイロットを除く全てのZEXISメンバーが、ジェフリーの推理にはっとなった。
アイムの表情は相変わらず涼しげだ。しかし、もしその様子が無理に何かを偽っている姿だとしたら。ジェフリーは、会心の一撃をアイムに見舞った事になる。
『アイム。そこで提案だ。もしその口が救援を求めるのなら、条件付きで我々は応じよう』
『私が救援を? あなた方にですか』
アイムはモニターで下の光景を見、そしてブラスタを見据えた。
「どうした? 結構ギリか? え? アイム」
したり顔でクロウは問いかけるものの、返事はない。
代わりに、滑走路で光が爆発した。
『やった、のか…?』
攻撃していた当のゲイナーが独りごちる程、破壊の手応えを彼等は感じていなかった。
しかし、光の暴発は滑走路どころかバトルキャンプの建物や基地
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