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月下に咲く薔薇
月下に咲く薔薇 15.
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リー艦長が目前の植物を敵であると断定した。『バトルキャンプの滑走路を占拠しつつ己が身を守るならば、我々は武器を取って応えるのみだ。見た目に惑わされるな』
『了解!!』
『ゼロ、貴方が地上戦の指揮を執ってくれるかしら』スメラギが、出撃している部隊を速やかに2つに分ける。『ソーラーアクエリオンとダイ・ガード、エクシア、キュリオス、それからキラ達4人のガンダム各機で、滑走路を塞いでいるあの植物をどけてちょうだい。ダイグレンも彼等の援護を。SMSとデュナメス、ヴァーチェ、コスモクラッシャーは、オズマ少佐の指揮でアイムを包囲。今の彼から持っている限りの情報を出すわ』
「スメラギさん。勿論俺も、空中戦の方だな」
 形式的な確認のつもりで、クロウは女性戦術予報士に問いかけた。
 しかし、返答が煮えきらない。
『クロウ、戦闘は避けるのよ』
「何でだ!?」
『上空にいるみんなも聞いてちょうだい』それは、妙に意味深な括り方だった。『あのバラの塊は、何が目的でバトルキャンプに現れたのか。そこが問題なの。次元獣を全てアリエティスに奪われて、こそこそ隠れていた筈の敵が遂に手の内を見せに来たのよ。今のこのバトルキャンプに欲しいものがあるのではなくて? 次元獣に代わる、或いはそれ以上の価値のある獲物が』
『つまり、アリエティスの事ですか? スメラギ・李・ノリエガ』
 アイムが、やや表情に乏しい顔でZEXIS間の通信に割り込んだ。
『わかっている筈よ、貴方なら。Dフォルトを変質させたり、この空間に突然現れる事ができても、彼らにはまだ何かが足らないんだわ。だから、次元断層を生む事ができる次元獣を狩るし、クロウにも興味を示すのよ』
 地上で、多方向からのビーム攻撃が始まった。
 ストライクフリーダムがカリドゥス、デスティニーが長距離ビーム砲、ガウェインがハドロン砲を一斉射撃すると、Dフォルトは効果を失いバラの塊を貫通する。
 一方で、マクロスクォーターの艦長ジェフリーが、『アイム・ライアード』と、クロウの宿敵をフル・ネームで呼んだ。『どうやら敵にとって、アリエティスは最も魅力的な獲物であると同時に、手強い障害でもあるようだ。我々としては、ここでアリエティスを攻撃し、謎の敵にとって脅威でもあるその力を敢えて削ぎ落とすつもりはない。…もし、ZEXISとバトルキャンプに一切の手出しをしないのであれば、だが』
『何やら脅しめいていますが、どういうつもりなのでしょう?』
『アイム。我々は、情報を欲している。度々ZEXISとインペリウム帝国の双方に絡み次元獣を捕獲する者が、いずれ手に入れた力を更なる暴挙の為に使用するのは明白だ。クロウを少しでも怪現象から遠ざけたいのであれば、敵に対する備えを我々にもさせる方が賢明ではないのかな?』
『ふっ、傲慢ですね』アイムが、顎を押し出
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