第3章 リーザス陥落
第63話 襲撃の魔人サテラU
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度の疲労からか、肩で息をしていた。
だが、攻撃は加えている。彼の異能術である《犠血》によって、無数の槍を飛ばしているのだ。だが、それは使えば使うほど、自身の血が流れる事を意味している。
故に体力の消耗が激しい諸刃の剣だ。
「…………」
「攻撃型と速度型。……厄介極まりないッ!」
「早くしないと、皆が……っ!」
ユーリとリックも構えながらそう呟いた。
ユーリの煉獄の一撃とリックのバイ・ラ・ウェイを何度か繰り出した。それでも、相手の速度型、イシスを捉える事は難しい。そして、イシス程ではないがシーザーも速度はある。……速度以上に攻撃力が凶悪だった。防げなければ一撃で致命傷になりかねない程故に一瞬の気も緩められない。
そんな時だ。
「シーザー! イシス!!」
声が上から聞こえてきた。それを訊いて全員が反射的に上を見上げる。
「目的は達成した。行くぞ」
「ハ、サテラサマ」
「………」
イシスは、持ち前の速度を活かし、サテラの元へと瞬時に移動。
「あれは! シィル殿っ!!」
リックがそれに気づいた。
サテラがイシスに渡したのは、シィルだった。気を失っているのか、身動き1つしてなかった。
「!!」
「そうだ、この女は聖武具との交換だ! ハイパービルで待つ。……早く持ってこいよ!(ユーリっ!!)」
「サテラサマ、サイゴノ キコエテナイト オモワレマスガ」
「い、良いんだよ! ランスのバカに伝えてる! 早く行くぞ!!」
サテラたちはそう言うと、恐るべき速度で暗闇へと去っていった。
「ぐっ……、戦っていたのは、ものの数分、なのに……皆は……っ!」
リックは、拳を振り下ろした。だが、今は嘆く時ではない。
「立て、リック。……皆が気がかりだ。シィルは大丈夫。アイツが 交換と言う以上、聖武具を持っていくまでは少なくとも、手荒な扱いはしない。……今は皆だ」
ギリッと歯をくいしばるユーリだ。
「……ああ。オレもそれに賛成だ」
清十郎も、放り捨てた鞘を広い、そして刀を仕舞った。
それは、たった数分から、数十分程の時間。たったそれだけの時間で、これからの作戦において致命的とも言えるものだった。
〜レッドの町・街道〜
サテラたちはハイパービルに向かっていく。
「サテラサマ、ゴブジデ?」
「大丈夫だ。言っただろ? 人間なんかサテラにかかったら、何でもないんだ。……まぁ、多少手加減するのには 疲れたが」
「テカゲン?」
「……一応、あいつの仲間だから。いくら雑魚の人間でも殺したらあいつが……って、何でもない!! 忘れろ、今のは!」
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