第3章 リーザス陥落
第63話 襲撃の魔人サテラU
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だ。此処からの通行料は高くつくぞ」
リックは燃える様な赤く長い剣を引き抜いた。そして、剣に闘気を込める。所作はユーリと何処と無く似ている行為。その赤い刃が更に輝きを増したかの様に見えた。
リックの言うとおり、此処が解放軍の総本山だ。此処が落とされると言う事、即ちリーザス壊滅に繋がる。その事実を強く認識していた。
「……合図だ」
ユーリがそう呟く。自分に、そして2人に。……相手に。
2人は丁度並列に並んだ陣形。当然、3人とも超がつく程のアタッカーだからだ。
ユーリの言葉に、2人は頷いた。それを視界の端で捕らえると、剣に力を集中させる。
「煉獄……」
それは、居合いの構え。鞘にまで帯びる煉獄の黒炎の闘気。
「………」
「………」
僅かだが、2体のガーディアンは歩く速度を遅くした。警戒をした様だ。……この場にユーリが居なければ、そこまで警戒はしなかっただろう。あの時の戦いを学習したからこその行動だった。
そして、何よりもサテラの命令、殺さずに抑えると言う事を考えた上での事だ。
「斬光閃!」
ユーリが放ったのは、居合いの速度から繰り出される飛ぶ斬撃。
それは、上空に飛翔し、そして夜の闇だと言うのに、大音響とそして光にも似た何かが弾けて飛び散った。
「行くぞ!」
「応ッ!」
「いざ……!」
人間界屈指の実力者である3名、そして人あらざる者、魔人従者、2体のガーディアンとの戦闘が始まったのだった。
〜レッドの町・宿泊施設〜
これは、よく言われていた事だった。ユーリに言われていた事、だった。
『オレは町の外に、入口の傍で休息をとっている。……何かあったら、皆に知らせる。その時の事、頼めるか?』
ユーリは かなみであれば、その合図を見逃さないだろう、と信頼して伝えたのだ。かなみは、信頼をしてくれている事はとても光栄であり、嬉しかったのだが、それ以上に感じたのは戸惑いだった。
ユーリは これまでも最前線で、強敵と戦ってくれている。戦い続けてくれている。
自分たちにもよく休息を、と言ってくれているが、かなみは ユーリにも夜の休息時には、休養をしっかりと取ってもらいたいと思っていたのだ。何より、見張りと言うその役割は任せて貰いたかった。自分は……忍者なんだから。陰ながら守護するのが本来の役割だ。
でも、その後のユーリの言葉を聞いたら、頷く以外の選択肢はなかったんだ。
『……かなみは、皆に伝令を。そして ヒトミや優希、戦えない者を頼む。危険な場所から、逃がしてやってくれ』
その事だった。
ヒトミとはよく就寝を共にしている。忍者である以上、自分も
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