第3章 リーザス陥落
第62話 レッドの町に迫る驚異
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〜レッドの町・教会〜
一行は、とりあえずスーの事もある為、セルの元を訪れていた。
流石に、神の家といっていい教会にフェリスを連れて行く訳にもいかない為、それとなく彼女は悪魔界へと還した。自然にフェードアウトしていった為、ランスは気づいていない様だった。……この時もフェリスは、ユーリに少なからず、感謝をするのだった。
線引きを強く意識している為か、フェリスは 決して口には出さなかったけれど。
そして今回の事を、事情を説明すると、セルは快く引き受けてくれた。話によれば、彼女はスーの事を、知っていたとの事だ。森の中の女の子の事を。正しき道へと歩ませる為に、導く為に、セルは笑顔で頷く。
「任せてください。……スーさん、宜しくね? この町の皆はいい人たちですよ。皆、優しくて、貴女の事をいじめたりする様な人はいないから、安心してね」
セルは、スーに笑いかけながらそう言った。その慈愛に満ちた表情、流石はシスターだと思える。裏も表もない。心からの言葉だと言う事。それは、悪い人間も幾度と見てきたスーにも感じることが出来た。だから、スーは、にこっと笑うとセルに飛びついた。
「ヨロシク、セル!」
「はい。よろしくお願いしますね」
セルの胸の中に飛びつくスー。
それは、まるで母親に飛びついている子供の様にも思えた。ラプの長老が父親であれば、セルが母親、と言ったところだろうか?……随分と、歳が若いので、お姉さんにしておこう。セルは怒らないと思うけど、ちょっとこの歳で、大きなコを持つ母親にするのには可哀想だ。
「がははは! オレ様の活躍もあっての事なのだぞ? セルさん!」
「まぁ、ランスさんがこの子を。貴方も判ってくれたのですね。喜ばしい事です」
「そうだろう、そうだろう! だからこそ、今夜こそ、オレ様と一発っ!」
ランスは、堂々と宣言するが、……セルは、ため息を吐いた。
スーを森からつれてきてくれた事があるにはあるが、その考えはまだまだ変わってなさそうだ、と思ったから。
「ランスさん。男女の営みは神聖な夫婦の営みなのです。己の欲望のままにそれを犯してはなりません。やはり、貴方にはお話を聞いていただく必要がありそうですね」
「………」
セルの瞳はいつ見ても真剣そのもの。流石のランスもたじたじだった。これから始まるであろ説教が想像出来るから。
「はぁ、懲りないな? ランスは。セルさん、折角だ。丸一日かけて、ランスを変えてやってくれ。健全な青少年へと」
「任せてください! ALICE神に誓って、ランスさんを更生」
「ちょっとまて! そんなのオレ様は嫌だ!」
ユーリの言葉に胸を張りながら答えるセル。
何事も根気、そして熱意、誠意を持って尽くせばきっと判っ
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