第3章 リーザス陥落
第62話 レッドの町に迫る驚異
[14/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
った。
数合、打合いが続く。
模擬戦と言える戦いだが、一歩間違えれば大怪我をしかねない程の速度で切り込んでいる。それを笑いながら出来るのは、この2人だから、だろう。
「……随分と楽しそうな事をしているな?」
そんな時だ。もう1人この場に現れた。
「あ、神無木殿」
「清、か」
一先ず剣を止め、声のした方を振り返った。この場所に来たのは清十郎だった。その腰には2本の刀を差していた。
「……周囲の状況の偵察とは随分と骨の折れる作業だな。だが、戦いは無く不満があった。そんな中、お前達が戦っているのが見えてな」
――……ものすごく加わりたい。
清十郎のそんな気持ちが手に取る様に判ったし、伝わった。だからこそ、ユーリは笑いながら答える。
「真剣での三つ巴は少々危険だ。明日も戦いが有る筈だしな。……だから、これならどうだ?」
ユーリが取り出したのは、木刀。殺傷力は剣に比べたら少ない物だ。打撲程度は致し方ないが 斬られるよりは遥かに良い。
「自分は構いません。戦いの前に怪我をさせてしまう訳には行きませんし」
リックも頷いた。模擬刀も持っている為問題なかったのだ。
「ほう、だが 一太刀も浴びなければ良いだけではないか? と言いたいが、オレは お前達の実力は知っている。一太刀も浴びない事、それは無理の様だ。……全力で死合う訳にはいかんし、そう言う状況でもないからな」
清十郎は、2本の木刀を手にとった。
「鈍った身体に喝を入れるのに丁度良い気付けになる」
「ああ。そうだな」
「……行きます」
3人の強者の刃が……中心で交わった。
それは、木で叩く音とは全く違う。爆音の様な物が木霊し、あたりに衝撃波の様なものまで迸らせていた。
〜レッドの町・周辺街道〜
レッドの町に忍び寄る魔の手。
ユーリとリックの感覚は間違ってなかった。人間では、どんな感覚神経をもってしても察知しきれない場所から、見ている異形なものたちがいた。
「サテラサマ、カクニンデキマシタ。レッドノマチ リーザスカイホウグンガ、イルバショ ランスモソコニ」
「漸くだな! ……アイツもいる筈だ、行くぞシーザー、イシス」
「ハッ」
「……」
3名は、ゆっくりと町へと近づいていく。凶悪な気配を忍ばせながら。
「サテラサマ、アノオトコ、イマシタ」
「な、なにっ!? 本当か!? シーザーっ!」
サテラはその言葉を聞いて驚いた。ガーディアンの性能は自分と同等クラスだ。そして、その視力も人間の数倍から数十倍。遥か離れていても、障害物がない限り、見えるのだ。
「ハ。戦ッテイルヨウデス」
「え? 戦い?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ