第3章 リーザス陥落
第62話 レッドの町に迫る驚異
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てくれる、とセルは信じているのだ。……その志は良いし敬服するものがあるが。
「ランスさん、判ってください。神の子として許されない事が多くあるのです。ユーリさんも判ってくださいましたし、私が貴方を正しい方向へと導いていきます」
セルの説教は続く……、どころか、このまま一緒についてくる勢いだ。幸いにも、教会にはセル以外にも世話をしてくれる人は沢山いる。歳の近しい子供たちも少なからずいるから、スーが寂しい想いをする事はないだろう。
「ユーリノ、言ウトオリダッタ!」
「ん?」
まだ言い合っているランス達を見て苦笑いをしている時。スーは、ユーリの服の袖を引っ張りながら言っていた。
「どうした? スー」
「ミンナ、ミンナ、イイ人。スー、ココニキテ ヨカッタ」
「そうか……」
ユーリは、ニコリと笑ってスーの頭を撫でた。面倒見の良いユーリだから、妹の属性?がある女の子には特に好かれる性質を持っているのだろう……。
「デモ、ユーリ 間違イアッタゾ」
「オレに間違い? ん…… 何かあったか?」
スーは、ユーリの腕を取った。そして、ぎゅっと抱きつくと 最大級の笑顔を見せつつ。
「ユーリヨリ ズットズット、優シイッテ事ダ。ユーリモ優シイ。負ケテナイ! トテモ、トテモ 優シイカラ ソレ間違イっ!」
笑顔のまま、……満面の笑顔のまま、そう答えるスー。
それを聞いたユーリは恥ずかしそうにしながらも笑みを見せ、スーの頭を撫で続けた。
スーも、気持ち良い様で目を細めていた。
「おーおー、流石ユーリだなぁ? 早速手を出すとは。やっぱり、たらしだったみたいだな?」
「……人聞きの悪い事言うな」
ミリの言葉に真っ向から否定するユーリ。
頼ってくれる事は嬉しいし、信頼してくれることも同様だ。スーの様な複雑な事情を持っている子なら特に。……が、ランスの様に見境が無いような事はしない、と強く思ってもいた。
「でもよ? 志津香の前であんま口説きまくるなよ? なかなか強力な足技を味わう羽目になるぞ?」
「……何度も味わってるよ。あいつの格闘技能なら。……それに、いつ、誰が、誰を口説いたって言うんだ。冤罪も良いところだ」
ため息が続く中……当の志津香達の方を見た。セルの懸命な説教。だけど、ランスも必死に躱す。それを見たかなみと志津香。
「セルさん? セルさんには悪いと思うけれど……ランスを更生させるなんて……ぜっっっっっっっっっったいに、無理ですよ?」
「そうよ。今更ランスの事を改心させるなんて、不可能。因果律を覆すよりも難しい事。……っと言うより、そんなのこの世界の創造主でも無理」
ランスに対する苦言が飛びまくる。思わず苦笑をせずにはいられない。神があの男を真面目に出来る。
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