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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第31話「白い少女」
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クリスの戦い方は、お世辞にも綺麗なものとは言えなかった。
いつものようなスマートな戦い方ではなくなっている。
"憎い"という感情のままに、ひたすらフレースヴェルグの顔に拳を叩き込み続ける。
ドスッ、ゴキッ、という鈍い音が途切れることなく響き続けている。
「グゲェェエエアアァア!!!!」
大鷲が威嚇するために雄叫びのような鳴き声を発するが、先程までの覇気がまるでない。
殴られ続けたその顔は醜く歪み、強靭なクチバシには細かいヒビがいくつも入っていた。
地面には、殴られた衝撃で欠けた鋸状の牙や、羽根の一部が複数転がっている。
「…痛いですか? ………アイさんはお前よりもっとずっと痛い思いをしたんだ」
クリスの眼を見たシャルルは、一瞬だけクリスに恐怖した。
"殺してやる"という明確な殺意が籠っていながら、どこか虚ろで、一切の光を通さないほど暗い眼をしていた。
クリスの眼もそうだが、彼が纏う雰囲気そのものも変わった気がする。
何者も寄せ付けない、何者も拒絶するような、暗く悲しい"何か"が、クリスの意識を支配する。
「(確かに強いが……これでは…こんなやり方ではダメだ……正しくない。何より…アイリスが浮かばれない)」
今の今まで、クリスの変化に気を取られて動かなかったシャルルだったが、ようやく自分の次の行動が
決まったようだ。
クリスが仕留める前に、自分が大鷲にとどめを刺す。
パートナーを失い、復讐に憑かれたクリスに、復讐の対象である大鷲を殺させるわけにはいかない。
もし大鷲をクリスが仕留めてしまったら、その後の彼はどうなるのか。
既に彼の心は壊れかけている。
そんな状態で、復讐を終えてしまったら。
誰も救われない。クリスに残るのは虚しさだけ。アイリスも浮かばれない。
「クリス!! もういい、僕が仕留める! 君は下がれ!」
何としてでも、クリスにあの大鷲を倒させるわけにはいかない。
ファルシオンを構え、大鷲に斬りかかろうとしたが………
「…………邪魔をしないで下さい。こいつは僕が殺すんだ……」
シャルルの背筋が一瞬で凍りついた。
あんなに心優しいクリスが、どうすればあんな顔ができるのか。
シャルルをギロリと睨んだその眼は、彼が今まで対峙してきたどんな悪魔よりも暗く、恐ろしかった。
クリスの眼を見たシャルルは、その覇気に気圧され次の行動に移ることが出来なかった。
大鷲に更なる攻撃を加えようとしているクリスを止められなかった。
ゴンッ!!!
「グギャッッッ!!??」
突然、顎を思い切り蹴り上げられた大鷲は、短く驚いたように叫び、
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