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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第31話「白い少女」
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でも哲学的なことは言ってないよ。この言葉は本当のこと』
「う〜ん……私は二重人格だったってこと?」
『二重人格とは違うかな。"わたし"の心はわたしのもので、"アイリス"の心はあなたのもの』
「やっぱり難しいよ……」
『うん……いつか分かるよ。いつか、ね…』
『それより……ねえ、アイリス。クリス君を助けたい?』
「えっ?」
『真っ暗でも分かるでしょ? 外の世界の様子。……あなたが傷ついてクリス君がどうなったか』
白い少女の言う通りだった。
意識を集中させると、見えなくても分かった。
自分の大切な人が、復讐という暗く悲しい感情に支配され、壊れかけているのが。
「クリス君……ごめんね…………私のせいだね……」
『また泣きそうになって…ほら、泣かないで。さっきも言ったでしょ? まだ終わってないって』
「ぐすっ……でも……」
『いい? 落ち着いて聞いて。あなたはまだ死んでない。負った傷が深くて今は寝込んでいるけどね』
「…? どういうこと?」
『あなたは死なない。ううん、"死ねない"の。どんな傷を負ってもね』
「…………どういうこと?」
『詳しいことを話す時間は今はないかな。それもいつか分かるよ』
『でも、これだけは分かって。わたしはあなたの味方』
『あなたは誰も傷つけずに戦いを終わらせたい。そうでしょ? ……叶えてあげる』
『わたしの力を少しの間だけ貸してあげる。でも、今のあなたには身体への負担が大きいから気をつけて』
『………じゃあね、アイリス。また会えるといいね』
目を覚まして一番最初に見えたのは夜空だった。
そしてすぐに、背中に冷たい地面の感触を感じた。
段々と目が冴えてきて、周りの状況がはっきりしてきた。
怒りに身を任せて、大鷲を殴り続けるクリス。
それを悲しげに眺めるシャルル。
クリスの怒りを身に受け、今にも死にそうな血みどろの大鷲。
「………私のせいだ………私が…止めなきゃ…」
「……お願い。今だけでいいの。…………力を貸して」
その言葉が、その場にいた者の耳に届いたのかは分からない。
しかし、その言葉を言い終えると同時に、全員がアイリスの方に視線を向けた。
「…アイ、さん?」
「アイ
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