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dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第31話「白い少女」
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蹴られた顎につられて、その巨体は
綺麗に半回転して地面に叩き伏せられた。


「……さっさと立て。僕の"復讐"はまだ終わってないんだ」



復讐。
この言葉に、シャルルの心が痛んだ。

自己犠牲は決して認めない。
たとえ守りたい人を守って死んでも、それでその人が本当の意味で救われたことにはならない。
彼はずっとそう思ってきた。
しかし、今のクリスを見てそれが揺らいだ。

クリスも「自分が死ねばアイリスが悲しむ」と分かっていた。
分かっていても、「自分を犠牲にしてでも」アイリスを守りたかった。

それが叶わなかったのだ。
自分の目の前で。




「クリス………アイリス………すまない……」




シャルルの小さな謝罪は、アイリスにも、クリスにも届くことはなかった。



































「…………………あれ? 私は……ここは…?」


アイリスが目覚めた"その場所"は、辺り一面が真っ暗闇だった。
アイリスには、自分が上下左右のどこを見ているのか。
立っているのか、浮いているのかさえ、把握できない。


「………あぁ、そっか……私、死んじゃったんだ……」


今の自分の状況は把握できないが、この場所に来る前のことは思い出した。




「ここはどこだろ……天国? じゃないよね……じゃあパトリック君には会えないなぁ……」


「ここは地獄かな…そうだよね……悪魔にひどいことしてきた私にはピッタリだよね…」


「…………アリシアさん、キリシマ君、フランちゃん、ブライアンさん、ハル君、アルバートさん……
…クリス君……ぐすっ……ごめんね………」












『泣かないで、アイリス。まだ何も終わってないよ』


突然聞こえてきた自分以外の声。
溢れてきた涙を拭い、辺りをきょろきょろと見回す。



「だれ? どこにいるの?」


『ここだよ』



背後から聞こえてきた声。

振り返ると、そこに声の主がいた。



そこにいたのは、アイリスに瓜二つの少女だった。
アイリスによく似ているが、決定的に違う特徴があった。

真っ暗なこの空間で一際目立つほど、その少女は"真っ白"だった。

服も、髪も、肌も。
金色の瞳以外、まるで色を失ったかのように真っ白で綺麗だった。



「あなたはだれ? 私にそっくり…」

『わたし? わたしは"わたし"で、わたしは"あなた"だよ』



「………う〜ん? 難しいよ…」

『あははっ、そうだよね。
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