暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第163話 復讐の顛末 中編
[11/11]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
北の方角に流れる川の上流には支流がいくつか流れています。我々が把握してない支流を利用して兵を送り込んできたのかもしれません。もしくは部隊を幾つかに分けて合流したのかもしれません」
「地の利に明るくなくては無理な用兵ですね。荊州水軍が関わっていると見て間違いありません」
「二人の見立て通り蔡徳珪は夜襲を仕掛けて来たということだな」

 正宗は険しい表情を浮かべ朱里と桂花を見た。

「地の利を生かし夜襲を仕掛けて来るとは面倒なことです」

 朱里は夜襲を予見していたが、その表情は晴れない。彼女の想像以上に荊州水軍の動きが迅速であったことが予想外だったのかもしれない。

「ですが私達は運が良いです。正宗様のお陰で敵が攻めてくるのがわかっております。このまま準備を整え蔡徳珪軍を迎え討ちましょう」

 桂花は正宗と朱里を見て言った。桂花は蔡瑁を蹴散らす機会が来たことを喜んでいた。彼女は自らの才を生かす機会を得たことに昂揚しているのかもしれない。

「朱里と桂花、敵はかなり近くまで迫っている。あまり時間はない。万全の布陣を整えるのは難しいが大丈夫か?」
「既に騎兵を三千を夜陰に紛れさせています。それと、伊斗香殿の手勢を編成しなおし弓兵一千を森の中に潜ませております。後は正宗様が五千の騎兵を率い敵が進軍してくる場所を先導いただければ、後詰めの私達も戦線に加わり敵を敗走させてご覧にいれます」

 朱里が作戦を正宗に伝えた。

「正宗様、今回は蔡徳珪軍を壊走させることが目的です。決して全滅させないようにお願いいたします。孫文台には襄陽城攻めで頑張っていただかないといけません。蔡徳珪軍が壊滅状態にしては後々の計画に支障がでますのでご注意ください」
「心しておく」

 正宗が答えると朱里と桂花は正宗に拱手して踵を返し去って行った。正宗は二人が出て行くと、陣所の端に鎮座した自らの軍装に手を伸ばし急いで着替えた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ