四話:つかの間の日常
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見繕っていたんだが……それに管理局と繋がりができたのも痛い。これでは高町なのはの蒐集をしたと同時に管理局に知られてしまう)
いっそここで始末してしまおうかという物騒な考えが浮かんでくるが下策にも程がある。
少女一人位など造作もなく殺すことはできる。
いくら魔法の才があったところで所詮は子どもだ。
しかし、殺してしまえば何かがあると疑われる。最悪管理局がこの世界に調査に来る。
そもそも蒐集の前に殺すのは勿体ない。
(全く……面倒なことをしてくれたよ。プレシア・テスタロッサ)
内心で今回の事件の発端と言われるプレシア・テスタロッサに対してぼやく。
正直なところ裏から手に入れた情報を見た時は怒りでどうにかなりそうだった。
たった1人の為に60億の人間どころか世界を危険にさらしたのだ。
切嗣の生き方とはまさに真逆な生き方だ。そのことがどうしようもなく苛立たせた。
だが本当に苛立ったのは心のどこかでその生き方を羨んでしまった自分に対してかもしれない。
「いらっしゃいませ」
気づけば既に翠屋に行きついていたらしくマスターの高町士郎に声を掛けられていた。
こんな状態では作戦に支障をきたすと内心歯噛みしながらケーキを一人二個ずつ注文していく。
その際に店内を見まわして見るが高町なのはの姿は見えない。
もっとも、自分が魔導士だとバレるのは避けたいので深い接触はこちらも御免なのだが。
しかし高町なのはの馬鹿げた魔力量があれば簡単にページが埋まるので目をつけておくことには変わりはない。
「しかし、結構な量を買われますね。来客用ですか?」
「まあ、そんなところです」
軽く話をしながらケーキを受け取る。
一見すれば士郎は爽やかなマスターに見えるが切嗣には分かる。
間違いなく自分と同じように裏の世界を知っている人間だと。
それは士郎の方も同じようで初めて訪れた時はお互いに警戒したものだ。
どうやら、血と硝煙の臭いは嗅ぎ慣れた人間には隠せないらしい。
「ありがとうございました。また、お越しください」
「ああ、また来るよ」
―――あなたのお嬢さんを傷つける算段をつけてね。
そんな言葉を心の中で呟いて切嗣は家路に着く。
何故だかタバコがたまらなく吸いたい気分になった。
「このケーキ、ギガウマじゃねーか!」
「確かに、これは美味ですね」
「うん、美味しいわ」
「気に入ってもらえて何よりだよ。翠屋はシュークリームがお勧めだから今度はそれでも買ってくるよ」
顔をほころばせる女性陣。特にヴィータは目が比喩抜きで輝いている。
一先ずお土産を気に入ってもらえたためにホッとする切嗣。
紅茶に関してもグレアムお勧めなので味
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