暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
奇妙なタッグ
[1/5]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
ガンゲイル・オンラインというゲームには、昔ながらのRPGで言うところの《戦士》や《魔法使い》的な
職業
(
クラス
)
という概念はシステム上存在しない。
各プレイヤーは、
筋力
(
STR
)
や
敏捷
(
AGI
)
、
耐久
(
VIT
)
、
器用
(
DEX
)
といった六種類の《
能力値
(
ステータス
)
》、および
火器習熟
(
マスタリー
)
や
弾道予測拡張
(
サジェスチョン
)
、
応急手当
(
ファーストエイド
)
、
軽業
(
アクロバット
)
など数百種類の《
技能
(
スキル
)
》を自由な選択によって上昇させ、自分だけの
能力構成
(
ビルド
)
を作り上げる。つまり、ある意味では、このゲームのクラスはビルドの数だけ存在するともいえる訳だ。
だがその一方、あまりにも無計画なビルドは戦闘力を削いでしまう。ゆえに、この火器を使うならこのステータスとスキルは必須、というようなビルドの定番パターンというものが当然できてくる。選択スキルの細部は違えども、その大まかなパターンが共通するプレイヤーを、便宜的に《アタッカー》や《タンク》、《メディック》、《スカウト》などというクラス名で呼ぶこともある。
シノンのクラス《スナイパー》も、
希少
(
レア
)
ではあるがその一つだ。大型のライフルを装備するためにSYRを優先し、照準精度を上げるためのDEXと、撃ったあと高速で離脱するためのAGIもそこそこ上げる。代わりに、見つかったら負けと割り切ってVITはばっさり捨てる。スキルも、もちろん狙撃銃マスタリーは必須。その他命中率に関係するものも片端から取る。
当然、防御用スキルは全切り。もっとも、そこまでしてもGGOの《心拍連動システム》のせいで外れる時は外れるのが狙撃の難しさなのだが。
そんなピーキーすぎるスタイルゆえに、実は多人数のバトルロワイヤル戦にはあまり向いていない。遠くの誰かを狙っている間に、他の敵に近間に潜られてしまいがちだからだ。そして、サブマシンガンやアサルトライフルを装備したアタッカー型に肉薄されれば、スナイパーはもう手も足も出ない。破れかぶれに無償順で一発撃って―――たいがい当たらない―――次の弾を撃つ前に、フルオートの弾幕で蜂の巣にされてエンドだ。
以上のような理由によって、命中重視型のミドルアタッカーである《
夏侯惇
(
カコウトン
)
》の愛銃であるノリンコCQの射程内まで接近されていたら、シノンに勝ち目はなかっただろう。
……なかったはずだ。
「……………………」
シノンは思わずため息を吐きそうになるのを堪えながら、眼前でその夏侯惇が、妙な成り行きから共同戦線を張ることになったパートナーによってあっけなく地に沈むのを見ていた。
目の前には、GGOでおそらく唯一の―――ではなく《ユウキ》というプレイヤーがいたか―――《光剣使い》クラスである黒髪の少女、にしか見えない少年が、さも一仕事終えたよ
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ