第六十七話
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い結晶無効化空間であり、さらに扉が締まってしまった脱出不可能な密室でどうやって脱出できたのか。
「シリカに抱きつけっ!速くっ!」
俺はスカルリーパーの後方から叫ぶ。
「は?」
「何を!?」
戸惑うSOS団をさらに叱咤する。
「速くっ!」
「っ!よく分からんが…役得じゃぁあああああああ」
「きゃーーーーっ!」
こんなときでもSOS団はSOS団かよっ!
と、そんな場合でもシリカはきっちりと自分の仕事をこなした。
「!?どこに消えた」
「速く、次っ!」
俺は煙幕の切れる前にシリカへ向かって走り出した。
「わ、分かった!」
次々にシリカに抱きつくとその存在をこのエリアからそのアバターを消失させていくSOS団。
俺もクゥを回収してシリカの所まで戻るとどうやら俺が最後のようだった。
「アオさんっ!」
「ああっ!」
後ろを振り返ると煙幕が晴れ、スカルリーパーはしっかりと俺達をターゲットしたようだった。
俺はシリカに近寄ると…シリカは思いっきり俺の股間を蹴り上げた。
「ぐぅっ……」
強烈な痛みをこらえ、俺はシリカに抱きつくと、合図を送る。
「3、2、1、今」
「はいっ!」
俺とシリカは同時にウィンドウを操作して、一瞬後俺達が消え去った後にスカルリーパーの鎌が振り下ろされたのだった。
「つまり何か?おめぇらはハラスメント行為の強制転送を利用してここに飛んできたと?」
「はい」
いやぁ、アンチクリミナルコードまで無効になって無くてよかったよ。
これが無効だったら全滅してたかもしれない。
以前ドラゴンゾンビ戦で閉じ込められて以降、何とかならないものかと試行を重ねた結果思いついたのが今回のこの裏業だ。
「だが、それだと最後の一人はどうやって飛んできたんだ?」
「キンテキってハラスメント警告の表示に時間的猶予が有るって知ってました?」
キンテキは蹴られた後十秒ほど警告時間が続くのだ。
「いや…知らねぇな。つかシリカ…蹴ったのか?」
「きっ!緊急時でしたしっ!仕方が無かったんですっ!」
表情エフェクトの限界まで赤くなるシリカ。
「まあ、その猶予を使って一緒にハラスメント行為による強制転送にYesをクリックしたと言う訳ですね」
「そんな事が…、わぁった。すぐにここから出られるようにしてやる。…ボスの情報は掴んできたんだろう?」
「さわり程度ですが、ね。それととても重要な脱出不可能と言う情報と、システムの裏をかいた緊急脱出手段まで実行してきました。ぶっちゃけもう精神的にはこの層のボスには関わりたく無いですね…」
「十分さ、後はオレらの仕事だぜ」
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