第六十七話
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アは困難だ、違うか?」
ゼノンがそう持論を纏めた。
「だが、危険だ…」
俺が彼らの意見を否定する。
「そうですよ、七十四層の事件は聞いているはずですよね?」
シリカが追随する。
結晶無効化空間での所為で久しぶりに最前線の攻略へと出張ってきた『軍』の精鋭から多数の犠牲者が出たのだ。
「それに、二十五層、五十層とクォーターポイント毎のボスは強力だった。今回もその例に漏れないかもしれない」
俺が今までの情報から推察する。
意見を出し合い、吟味した結果、彼らは偵察に行く事に決めたらしい。
それでも無理はせずにいつでもボス部屋から逃げれるように細心の注意を払ってのことだが。
「アオ達はどうする?一緒に行ってくれると心強いのだが…」
団長がそう尻すぼみに問いかけた。
「あーーーっ!くそっ!行くよ。ただし、おっかなびっくりあんたらの直線帰還距離を確保しながらな!ただし、ぜったい無茶はするなよ!」
こいつらの付き合いも長いし、やはり情が移ってしまったか?
「助かる…」
と、団長。
「それで、シリカはここで…」
「一緒に行きます!」
俺の言葉にかぶせるように宣言したシリカ。
そう言ったシリカをいかなる言葉を使っても説得は難しく、結局俺と同じく後方での帰還支援として付いていくことになった。
この選択がまさか、結果的に見れば俺達を救う事になるとはシリカの決断には感謝してもしきれないだろう。
開かれた扉を、ゼノンが先頭で潜り抜ける。
ゼノンはいつもの長剣では無く、重厚な盾を装備していた。
そんな彼を皮切りにSOS団のメンバーが入り、最後に俺とシリカが入ったとき、バタンと音を立ててボス部屋唯一の出入り口が閉まった。
「な!?」
「なんで!?」
混乱する思考を瞬時に追いやり、背後の扉を確認するが、押しても引いてもビクともしない。
「な!?」
「何だよこれは!?」
余りの衝撃的事態に混乱するSOS団のメンバー。
最悪の事態だ。
まさかの密室だった。
ボスはボス部屋からは出てこないのが今までの常識で、扉を潜ってしまえばボスは追ってこない。
今まで閉じ込められたことは無いというデータが、そんな事には成らないと決め付けてしまっていたのだ。
「フカーーーッ!」
突然クゥが天井を睨み威嚇する。
その豹変に俺も急いで視線の先を追うと…
「っ!やばい、上だっ!」
ザ・スカルリーパー
巨大な骸骨の頭部と全身骨で出来ているがムカデを思わせる下半身。
さらに蟷螂のような鎌が付いている。
「よけてーーーーーーっ!」
シリカの絶叫。それに合わせ
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