第六十七話
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れる前に、右手の刀をキリトの攻撃の隙を付いて渾身の力をこめてキリトの胸元へと突き刺した。
「っな!?」
その衝撃にソードスキルをキャンセルされてキリトの体が吹き飛んでいく。
御神流 『貫』
本来ならば相手の防御の癖を読み取り、その隙を突いてあたかもすり抜けたかのように相手を切りつける技だが、ソードスキルは所詮はシステムによって規定された攻撃だ。
その攻撃を予想することは難しくなく、今回のような事も対人戦ならば可能だった。
ザザーーーーッ
「まけ…た?」
砂煙を上げて転がったあと、キリトは放心状態で呟いた。
「アオさんの勝ちです」
シリカのウィナー宣言。
「ほら、言ったとおりでしょ?キリト君なんて手も足もでないって」
「…そこまでは言ってなかったじゃん」
キリトが声をしぼませながら反論する。
「いやー、キリトはうまかったね。二刀流の扱いも様になってたよ」
俺は今しがた決闘したキリトを助け起こすと、先ほどの決闘を労った。
「…また『うまい』だ」
うん?
「アスナも俺の事を『うまい』って言ったんだ」
ああ、そう言う事か。
「一体どういう事なんだ?普通『強い』だろ」
「その問いに答えても良いのか?」
「ああ、俺はその意味を知りたい」
「このゲームではソードスキルありきで皆戦闘をしてきただろう?」
「ああ、それは当然だろう。システムアシストにより通常の攻撃よりもダメージは上がるし、使い勝手が良いからな」
そうだね。通常攻撃メインの俺じゃ確かにソードスキルを使用したプレイヤーの七割しかダメージを与えられないだろう。
「だから、敵の攻撃を弾き、ソードスキルのモーションを立ち上げる時間を稼ぎ、そのシステムアシストによって相手を叩きのめす。そんな行動が染み付いている。君はそれが人一倍『うまい』ね」
「………」
彼の強さはシステムサポートによる強さだ。
「まあ、この世界なら『うまい』=『強さ』なんだから何の問題も無いけどね」
キリトの表情はさらに険しいものになる。
「今の言葉を聞くと俺は通常攻撃ではどうやってもあんたに勝てないって言ってるように聞こえるけど?」
「ただの斬り合いならば、それは経験や、たゆまぬ反復練習による努力が表に出てくる。俺は3歳から剣術をやっているんだ、独学でたった二年、剣を振るっただけの人たちに負けてあげれるような努力はしていないつもりだ」
「努力と経験…だが、初見のソードスキルをカウンター出来た事はどうなんだ?」
「それはだから経験だね。ソードスキルは所詮システム的な連撃。先を読むことは容易い」
「そうか…」
今度こそキリトは完全に黙り込んだ
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