第六十七話
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のためにわざわざ?」
報告してきてくれたのは嬉しいが、それだけだったら別にアスナ一人でも良かったんじゃないかな。
「ううん、それだけじゃなくて、お願いがあるの」
◇
キリト君がユニークスキル『二刀流』を打ち明けて、わたしが自分の恋心に正直になってから数日。
オープンになった二刀流のソードスキルを見せて貰っていた時の、それはほんの些細な会話だった。
「キリト君はうまいね。アオ君と戦ったらどうなるんだろう」
「アオ?」
キリト君は私の口から出た男の名前に怪訝な表情を浮かべた。
「キリト君が想像しているような相手じゃないよ。…それにアオ君にはシリカが居るし」
シリカはまだ自分の恋心を認識していないと思うけど、端から見るとアオ君の隣を独占したがっているのはみえみえ。
わたしがアオ君に話しかけると必ず間に入ってくるもの。
「アオ君はね…そうだなぁ、わたしのお師匠さまで、多分アインクラッドで一番強いんじゃないかな?」
ステータスや、レベルなんかでは現在確実にトップであるキリト君には敵わないかもしれないけれど、戦うとなったらキリト君が勝てるヴィジョンが浮かばないよ。
「わたしも何度も街中で模擬戦しているけれど、未だに勝てたことはないなぁ…最近じゃシリカにすら勝てないし…」
彼女の強さはアオ君が付きっ切りで教えたためか、それこそありえないくらいに強くなっている。
ステータスと言う意味ではないけれどね。
「大丈夫だ、アスナ。俺はもう、絶対に誰にも負けない」
「そう?期待している」
「疑ってるな?なんならそのアオって奴を紹介しろよ。俺が絶対勝って見せるから」
「はいはい」
軽く流したのがいけなかったのか、キリト君はアオ君と勝負させてくれとしつこいの何の。
断りきれなくなったわたしは、結婚報告とともにキリト君を紹介することにした。
その後キリト君の暴走で2人が戦うことになろうとはその時は考えもしなかった。
◇
第十八層はすでに攻略してからかなりの時間がたっており、街を行きかうのはNPCくらいな物だ。
石畳の広場で俺とキリトは5メートルほど距離を開けて対峙している。
今回のこれはデュエルシステムを行使しない安全な決闘だ。
システムを使うと、どうしても街中での安全は双方のプレイヤーに限り無効になってしまう。
初撃決着モードならば比較的に安全とは言え、高レベル差ならばその一撃でHPを全損させることも訳が無いために、このような場合には使用はしない。
シリカとアスナは見届け人だ。
2人は俺達の中心から横に五メートルの位置で開始を待っている。
キリトが構えるのはそれぞれ白と黒の二本の直剣。
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