第3章 リーザス陥落
第61話 魔人再来
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。幼さがそのまま残って魔人になった感じだ。性質の悪いガキ、と言ったところだろうか?……ガキと言う言葉はあまり使いたくないが。
「なぁ、ユーリ」
「ん?」
傍に来ていたフェリスがユーリに声をかけた。
「アンタはなんでそう……」
言いかけた所で、フェリスは止まった。
色々と聞きたいこと、言いたいこともあった。人間と言う種族の汚さ、醜さ、それらは嫌というほど知っている。なのに、なぜこの男はこうなのだろう? 何で……、だろう?
他人、人間は疎か、女の子モンスターにまで……。
斯く言う自分も、ユーリの事をもう薄汚い人間だと思えなくなってしまっていた。そして、ユーリの傍にいる人間達の事も、知ることができた。……1人例外はいるが、それは置いといたとしても、人間はそれだけじゃないと言う事をしれたんだ。
「どうした? フェリス」
ユーリは、黙っているフェリスに聞き返した。……その表情から、なんとなく読む事は出来ていた。
「いや……。別に……、あ、ああそうだ」
フェリスは、聞く事を変えた。以前、ユーリが言っていた事を。
「アンタ、何で神と悪魔だったら、悪魔を取る……なんて言ったんだ?」
フェリスが聞きたいことは、本当は違った。
だけど、咄嗟に出た疑問だったけど、その内容は最初のそれに負けない位聴きたかった事でもあったんだ。
「………訊いていた、のか」
ユーリは、その言葉を聴いて、表情を変えていた。聞きたい事がそれとは正直、思ってなかった。フェリスの表情は、かなみの表情によく似ていたから、聞きたい事はかなみのそれと似たようなモノだと思っていたから。
「普通の人間なら、それこそこの世界、人類の7割から8割は信者がいるAL教もあるし、神を取る、だろ? ……その他の人間も悪魔を好んでるヤツなんて1割どころか1部1厘だっていないだろうし。そう考えたら異端すぎるって思ってな」
フェリスの言い分も最もだ。
AL教団事《ALICE教団》はこの世界でスタンダードな宗教でメジャーもメジャー。他にもJAPANでは、《天志教》と言う宗教がメジャーだが、それでも圧倒的なのはAL教だ。
「……でも、そう言う人間がいたって良いだろ? とは言っても、戦いになったりしたら、どっちでもオレは戦う。盲目に信じたりはしないからな。意に反する事であれば。 ……つまり、突き詰めて考えたら、どっちも同じだと言う事だ。だから、フェリスが訊くそれ程の事でもないさ。だがまぁ、……強いて言うならオレにも色々とあって、……価値観が変わった、と言ったところだな」
ユーリは、そう答える。
フェリスは、ふーん。と頷くとある事を思い出した。悪魔界で聞いて、そしてここで確認した事があったのだ。
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