暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第61話 魔人再来
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 ユーリがそう言うと、その博識ぶりに皆が関心する様に見ていた。ランスはと言うと。

「ちっ、そういやそんな話聞いた事あるな。おい、シィル。お前が捕まえてこい」
「……ぁぅ」

 シィルは、何処となく赤くなって俯いた。どうやら、彼女も知っている様だ。あのユニコーンに接触する為の条件を。

「ん? どうしたのだ。女のお前なら、捕まえる事が出来るだろ? さっさとしないか」

 ランスがそう言及した所でシィルは、口を開いた。説明をしようと思ったが、ランスがシィルに言う方が早かった。

「……その、ダメなんです。ユニコーンは女の子は女の子でも、えっと、乙女にしか気を許さないんです」
「は? 乙女?」
「……その、処女の女の子ですよ。私は……私は違いますから」

 シィルが赤くなるのは、そこが理由である。自分から告白するのは……女の子として恥じらいがあるだろう。

「むぅ。それは仕方ないな。そういえば訊いてなかったな。お前らの中に、処女は? 手を上げろ」
「お、オレの事か?」
「貴様の何処が処女だ処女!! 馬鹿言うな!」

 ミリの馬鹿な発言は、ランスをもツッコませる程の破壊力の様だ。ランスの言葉で、おずおずと手をあげるのはかなみ、そして志津香。別に正直に手をあげなくても良かったのだが……、ここには ()がいるから。まだ、経験がない事を遠まわしに伝えたかったから、かなみも志津香も手を上げた。

「ほうほう、丁度良かったではないか」

 ランスは、両手を腰に当てて笑う。

「ん、まあ そうだな」

 ユーリも頷いた。
 この奥まで来て、誰か、条件に合う人を探してきて、連れてきて……、となったらかなりの時間のロスになるだろう。

 まだ時間的にはそこまで切迫していない。レイラの事も 数日は猶予がある事は判っている。だけど、それでも 省略出来る時間を、無駄にするのは好ましくない。
 あと、条件を知っていたと言っても、事前に『処女だよな?』なんて聞ける筈もない。

 だからこそ、ユーリは ユニコーンについて、知っていたシィルには少なからず感謝もしていた。ランスも、多分今から町に戻って誰かを連れてくる、なんて面倒な事にならなくて良かった。と思っているだろう、と思っていたのだが。

「がはは! 今からオレ様が美味しく頂いてやろう! とーーっ!!」

 そこは、ランスだ。いつも通り、いつものノリで 志津香とかなみに、飛びかかっていったが。

「……粘着地面」

 志津香のカウンター魔法?で迎撃した。これも、いつも通りの光景である。

「んがっっ!!!」
「……はぁ。このバカ」

 志津香とかなみに飛びかかったランスだったが……、勿論志津香のカウンター・アタックの粘着地面。


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