暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1125話
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
様に俺の首へと向かっているのを確認し、念動力を発動。
 次の瞬間には俺の首へと吸い込まれる筈だった物干し竿の刃は、空中で動きを止められていた。

「な!?」

 これはアサシンにとっても予想外の出来事だったのだろう。
 佐々木小次郎である以上、武器は当然この物干し竿しかなく、その唯一の武器を念動力で空中に固定されたのだから、驚愕するのも当然だった。
 よし、これなら様子見とかじゃなくて、一気にアサシンを倒せる!
 地面を踏む混む足に更に力を入れ、右手を貫手へと変えて力を籠める。
 同時に回避しようとしたアサシンを、凛の放ったガンドが妨害する。
 あのバーサーカーの皮膚すらも貫いた一撃。
 バーサーカーよりもステータスが圧倒的に低いアサシンであれば、この一撃を受けて無事で済む筈はない!
 そう判断し、実際その一撃はアサシンへと叩き込まれそうになった、その時。
 自分に向けられる害意を感じ取った俺が選んだのは、その場所から大きく飛び退る事だった。
 次の瞬間、一瞬前まで俺がいた場所へと無数の魔力弾が叩き込まれる。

「ちぃっ、何だ!?」

 視線を魔力弾の飛んできた方へと向けると、そこにはまるで翼のようにローブを広げた女の姿が空中に浮かんでいた。
 同時に、その翼の如きローブの周囲には幾つもの魔方陣が浮かんでいる。

「キャスターかっ!」
「ええ、ごきげんようイレギュラー」

 俺をイレギュラーだと知っている?
 いや、俺が戦闘している光景を見れば、本来召喚されるべきサーヴァントじゃないってのはすぐに分かるか。
 となると、キャスターはアサシンとの戦闘の様子か、あるいは他に今まで行われた戦闘の様子か……どちらにせよ、見ていたのは間違いないだろう。

『どうする、凛?』
『退くわよ。決まってるでしょ。このままここにいて、更にマスター2人を相手にするなんて、どうにもならないわよ。あんたが宝具の類を使えるならまだしも』

 だろうな。
 そう思い、階段の途中にいる凛の側へと跳躍して着地する。

「あら、もう帰るのかしら? こちらとしては、貴方達とゆっくり話をしたかったのだけれど」
「生憎と、サーヴァント2人を相手にする程自信家じゃないのよ」

 そう告げる凛は、俺に視線で合図をしてくるが……

「そう? あのヘラクレスを相手に1度とは言っても勝利を収めたのでしょう? なら私達を恐れる事はないと思わない?」

 ちっ、やっぱりここ以外の戦闘も覗いてたか。

『アークエネミー、退くわよ』

 凛に促され、俺は背後のアサシンとキャスターを警戒しながらも階段を下りていく。
 ……不思議なことに、キャスターにしろ、アサシンにしろ、追撃の類は全く行われず、そのまま俺達を見逃したのだった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ