Fate/stay night
1125話
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様に俺の首へと向かっているのを確認し、念動力を発動。
次の瞬間には俺の首へと吸い込まれる筈だった物干し竿の刃は、空中で動きを止められていた。
「な!?」
これはアサシンにとっても予想外の出来事だったのだろう。
佐々木小次郎である以上、武器は当然この物干し竿しかなく、その唯一の武器を念動力で空中に固定されたのだから、驚愕するのも当然だった。
よし、これなら様子見とかじゃなくて、一気にアサシンを倒せる!
地面を踏む混む足に更に力を入れ、右手を貫手へと変えて力を籠める。
同時に回避しようとしたアサシンを、凛の放ったガンドが妨害する。
あのバーサーカーの皮膚すらも貫いた一撃。
バーサーカーよりもステータスが圧倒的に低いアサシンであれば、この一撃を受けて無事で済む筈はない!
そう判断し、実際その一撃はアサシンへと叩き込まれそうになった、その時。
自分に向けられる害意を感じ取った俺が選んだのは、その場所から大きく飛び退る事だった。
次の瞬間、一瞬前まで俺がいた場所へと無数の魔力弾が叩き込まれる。
「ちぃっ、何だ!?」
視線を魔力弾の飛んできた方へと向けると、そこにはまるで翼のようにローブを広げた女の姿が空中に浮かんでいた。
同時に、その翼の如きローブの周囲には幾つもの魔方陣が浮かんでいる。
「キャスターかっ!」
「ええ、ごきげんようイレギュラー」
俺をイレギュラーだと知っている?
いや、俺が戦闘している光景を見れば、本来召喚されるべきサーヴァントじゃないってのはすぐに分かるか。
となると、キャスターはアサシンとの戦闘の様子か、あるいは他に今まで行われた戦闘の様子か……どちらにせよ、見ていたのは間違いないだろう。
『どうする、凛?』
『退くわよ。決まってるでしょ。このままここにいて、更にマスター2人を相手にするなんて、どうにもならないわよ。あんたが宝具の類を使えるならまだしも』
だろうな。
そう思い、階段の途中にいる凛の側へと跳躍して着地する。
「あら、もう帰るのかしら? こちらとしては、貴方達とゆっくり話をしたかったのだけれど」
「生憎と、サーヴァント2人を相手にする程自信家じゃないのよ」
そう告げる凛は、俺に視線で合図をしてくるが……
「そう? あのヘラクレスを相手に1度とは言っても勝利を収めたのでしょう? なら私達を恐れる事はないと思わない?」
ちっ、やっぱりここ以外の戦闘も覗いてたか。
『アークエネミー、退くわよ』
凛に促され、俺は背後のアサシンとキャスターを警戒しながらも階段を下りていく。
……不思議なことに、キャスターにしろ、アサシンにしろ、追撃の類は全く行われず、そのまま俺達を見逃したのだった。
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