Fate/stay night
1125話
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た悪寒が背筋を走る。
本来なら相手へと踏み込む1歩で地面を蹴り、真横へと跳躍。
瞬間、俺が一瞬前までいた空間を長刀の刃が通り過ぎていく。
こいつ、あの一瞬に手首の動きだけで長刀の軌道を変えたのかっ!?
「……やるな」
「そちらこそ。いや、愉快愉快。この涼しげな月夜の晩に、お主程に腕の立つ者と戦えるとはな。これでお主も剣士であればもっと良かったのだが」
「武器が格闘で悪かったな」
「ふむ、こちらも名乗ったのだ。出来ればそちらも名乗って欲しいものだが」
長刀を構えながら告げるアサシンに、拳を構えつつ口を開く。
「アークエネミーだ。……悪いが真名は秘密でな」
「ほう? なるほど、イレギュラークラスというものか。此度の聖杯戦争は、ほとほとイレギュラーが好きと思える」
「……どういう意味だ?」
俺のクラスがイレギュラーだというのはいい。それはクラス名を見ればすぐにでも分かる。
だが、イレギュラーが好き……それは、俺以外にも何らかのイレギュラーがあるということだろうが……何を意味している?
「さて、残念ながらそれを話す舌は今のところ持っておらん。だが、そうだな。私を倒せたのなら、教えてやってもいいが?」
「そうか、そう言われたのなら是が非でも倒したくなってきたな」
『凛、援護を』
『しょうがないわね。けど、無理はしないでよ? いつキャスターとマスター2人が姿を現してもおかしくないんだから』
念話で短くやり取りし、次の瞬間には再び地面を蹴って前へと出る。
さっきのやり取りだけで分かった。
確かにこのサーヴァント、佐々木小次郎はステータス的に見れば決して強いとは言えない。
けど、ステータス表記されていない純粋な技量という面で考えれば、これまで戦ってきたサーヴァントと比べても上位に位置する。
それこそ、セイバーやランサーといった3騎士のサーヴァントと比べても技量が上だ。
正直、こいつのどこがアサシンだって感じがする。
しかも、俺の対英雄のスキルは相手のステータスを下げるという能力を持っているけど、技量はステータスに表記されていないから下がりようがないというのも痛い。
けど、やりようなら幾らでもあるのは事実。
真っ直ぐ……今度は地を這うようにとかではなく、ただひたすらに真っ直ぐアサシンへと向かって突き進む。
佐々木小次郎。その真名が事実であれば、あの長刀の名前は物干し竿。
巌流島の決闘で宮本武蔵に負けた、あの佐々木小次郎なのだろう。
そうなると、燕返しとかを使ってくる可能性もある。
それでも……そう、それでも今の俺であれば、そんな相手にも対抗が可能な武器がある。
ヒュッ、という鋭い風切り音と共にこちらに向かってくる物干し竿の刃。
その刃の軌道が先程同
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