Fate/stay night
1125話
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分かったわ。けど、いい? 何か危険があったらすぐに退くわよ?」
「ああ」
凛の言葉に頷きを返し、俺達は参道を上っていく。
そして……やがて視線の先に門が見えてきたところで、手を伸ばして凛の動きを止める。
「アークエネミー?」
「お客さんだ。……隠れてないで出てこいよ?」
「別に隠れているつもりはなかったのだが……確かにそちらだけ姿を現しているというのに、こちらが姿を現さないのは無粋というものか。失礼した」
その言葉と共に現れたのは……侍?
えっと、どうなってるんだ? 確かこの柳洞寺にいるのはキャスターだった筈じゃないか? それが、何で侍? もしかしてこの侍がキャスター? にしては、随分とらしくないけど。
しょうがない、少しカマを掛けてみるか。
「やはりこの山門からしか入れないようになっているのか。随分と強力な結界だな」
「ふむ、そうだな。私もそう思うよ。この山門からは離れられぬ身なれど、これ程の結界、恐らくあの女はキャスターとしても一流の腕の持ち主なのだろう」
……おい。何だかカマを掛けるも何も、向こうからペラペラ情報を喋ってくれたんだが。
その辺の事情は気にしていないのか?
ともあれ……
「今の話しぶりだと、どうやらお前がキャスターじゃないってのは確実のようだな」
「ああ。私はキャスターなどではないよ。アサシンのサーヴァントだ」
呟くと同時に、背中の鞘からスラリと剣を……いや、刀を引き抜く。
長い……アサシンの身長よりも長い刀。
聖杯から与えられた知識なのか、斬馬刀という言葉が一瞬頭を過ぎる。
だが斬馬刀というのは、その名の通り馬に乗った相手を斬る為の刀。
肉厚で頑丈な、刀と呼ぶよりは西洋の剣寄りの武器だ。
だが、今俺の前でアサシンと名乗ったサーヴァントが持っているのは、日本刀の刀身をそのまま長くしたような刀。
普通であればその長い刀身に反して脆いだろう。
幾ら日本刀が折れず、曲がらず、良く斬れると言われているとしても、あの長さの日本刀となればそれに当て嵌まらない筈だ。
だが……そんな刀を持っているアサシンだというのに、こうして向き合っているだけで念動力がビンビンと危険を伝えてくる。
間違いなく一級品の技量を持つ存在。対英雄の効果もあって能力の下がっていたランサーやセイバーと比べれば、その強さは上のようにすら思えた。
『凛、どうする? こいつがアサシンだというのなら、まだここにはキャスターのサーヴァントがいる事になる。幸い今は出てきてないが、こうしてアサシンがここにいる以上、間違いなく俺達の存在は知られているぞ』
『その辺に関しては間違いないでしょうね。……どうする? さっきも言ったけど、収穫はあったんだし退く? アサシンだけならまだ
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