遺跡出現までの10日間【3日目】 その10
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【3日目】 その10
「いててて……ナナの奴……なんて怪力だ……とても子供とは思えないよあれ………」
「グギョ」
赤く腫れ上がった頬をさすりながら僕とオウムは冷たい夜道を歩いていた。先程の出来事で何故か機嫌を悪くしたナナは僕を完全に無視し僕の部屋にある布団に籠城してしまった。
喋りかけても一切答えてくれないので仕方なく僕はナナの機嫌が直るまでオウムを連れセリムの宿を出ると適当に城下町をブラブラすることにした。
「なんであんなに怒ってんだろ……」
「グギョルル……」
僕の呟きにオウムが冷めた目でこちらを見ながら反応する。なんでそんな目で見てくるのさ……。
「あ、そうだ」
「グギョ?」
頭の中にいいアイディアがポンッと浮かび僕は思わず手を鳴らす。そんな僕にオウムが不思議そうな表情を向けた。
「聞いて驚くなよ……」
「ゴクリ……」
オウムが唾をのむ音が聞こえる。
「フフフ、名付けて『プレゼント』大作戦!」
「グギョ……」
僕の言葉にオウムは期待して損した……みたいな表情を向けてくる。いちいち人間臭いオウムだなほんと……。
「こ、この手で落ちなかった女はいないんだよ、恐らくナナにも通用するはず……」
前の世界に僕には一人妹がいた。些細なことでプリプリ起こってくるのでそのたびに僕はお菓子や色んな小物を献上しなければならなかったのを今でも鮮明に覚えている。
「……………」
おいやめろオウム、そんなダメ兄貴を見るような目で見るんじゃない。前の世界で生き残るには必須スキルだったんだよこれは……。
「と、とりあえず何買おう……」
日が沈んだとはいえ辺りを見回すとところどころ空いている店が見える。とりあえず僕は一番近くにあった店の前を通ってみる。
「お……髪留め屋さんかぁ……」
少し質素な雰囲気のその店には色んな色の髪留めが売ってあった。シュシュの様な物から簪の様な物までそのバリエーションの多さに僕は思わず見入ってしまう。
「はいいらっしゃい……」
僕とオウムが見せの中に入ると店の奥から80歳ぐらいに見えるおばあちゃんエルフがゆっくりとした足取りで現れる。
「凄い数ですね……こんな沢山の髪留めが売ってある店見たの初めてです……それに何となくですけどオーラが出ている感じがします……これ全部お一人で作られたんですか?」
キョロキョロと周りに飾ってある色々な髪留めを眺め眺めていると素直な感想が口から漏れる。
「あぁ、そうだよ。私の魔力を込めた糸や木の枝、ガラスなどで作ったのさ。昔はお守りとして買う人も多かったんだけどねぇ……」
エルフのおばあさんは嬉しそうに尚且つ懐かしそ
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