激戦
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エル防衛陣との激戦を物語るようにファーヴニルが凄まじい損傷を負っているからだ。口の中に撃たれたラジエルの主砲がそのまま穿ったであろう背中には痛々しい傷跡が見れるし、そのダメージが色濃く残る肉質の翼は焼け焦げて骨が見えているし、13個の複眼は半分が潰れているし、背中のレアメタルの角は先端が一部欠けていた。更に全体的に金属質の表皮も傷だらけで、尚且つ無数の鉄杭や建築資材のようなものが突き刺さったままになっている。というかこんな物を使っている辺り、ラジエルの人達はどんな戦い方をしたんだろう……。まさかラジエルにはとんでもない“とっつきらー”がいるんじゃ……?
だけど巨体から発せられる威圧感は依然変わりない。腕一つの大きさだけで戦艦を上回る程なのだから、奴が動くだけで大気が激しく乱れ、突風が吹き荒れる。しかし……正面から相対しているのに違和感がある。どこにもラタトスクの姿が見えないのだ。コントロールしている以上、近くにいる事は間違いないのだろうが……元凶の居場所がわからないのはとてもやりにくい。だけど……ある意味都合が良いのかもしれない。イモータルと絶対存在、同時に相手にするよりは一時的でも片方に戦力を集中させる事が出来る今の内に、あらん限りのダメージを与えるべきだろう。
しかし……そんな私達の決意を嘲笑うかの如く、ファーヴニルは突如大きく口を開けて、物凄く巨大なエネルギー弾をチャージし始める。球状のエネルギー弾から発せられる波動は、チャージしているだけなのに周囲の空間が捻じ曲がってしまう程だった。その影響でアースラを始めとした戦艦は激しく揺り動かされ、私達は振り落とされないようにしがみつくしかなかった。
「クッ……まだ戦いにすらなってないのに……!」
「奴が力を溜めてるだけで、こっちは吹き飛ばされそうじゃんか……!」
「俺もこの波動に耐えるだけで、精一杯だ……!」
「これが……星をも滅ぼす絶対存在の力なの……!?」
シグナムさん達が戦々恐々とする中、ファーヴニルはその恐るべき力を解放しようとする。その進行方向には……多数の戦艦が!
「マズい! 正面の戦艦、早く逃げろッ!!!」
GYAAAAAAAAAA…………!!!
ドォォォォォォォオオオオオンッ!!!!
クロノ君が必死の形相で逃げるように伝えた直後、耳をつんざく唸り声と共にエネルギー弾が発射され、大地を抉りながら音速で世界に傷が穿たれる。そして運悪く射線上に存在していた本局の次元航行艦……最も大きくてアースラと同じL級が1隻、少しサイズが小さいが運用しやすいM級が3隻、より小型で一般にも用いられるS級の10隻が丸ごと光の奔流に飲み込まれた。発射されたエネルギー弾はそれぞれ遠くの大地で着弾、大地震並みに地面が轟き、空に破壊による光の柱が立ち昇る。閃光
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