第四十八話 薔薇の騎士
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ハルト様は何もする必要がなかった。今更だが公爵家と公の力の大きさが分かる。
「今日の事もそう。普通こういう時は実家に宿下がりする事で家族や親しい人と会うの。でも私達には家が無い」
「……」
アンネローゼ様もラインハルト様も寂しそうだ。御二人とも名ばかりの貴族の家に生まれた。例え頼りになる家族がいても後ろ盾になるのは難しいだろう。それでも精神的な支えにはなれたかもしれない。
「だからこれまではヴェストパーレ男爵夫人かシャフハウゼン子爵夫人が家族の代わりをしてくれた」
「ええ、そうですね」
他には誰もアンネローゼ様と関わろうとはしなかった。アンネローゼ様は孤立し不安定だった。これまでは……。
「でも今日はブラウンシュバイク公爵家が私達に場所を提供してくれた。これは公爵家が私達の家族の代わりをしてくれたという事よ。ブラウンシュバイク公は外出してしまったけど大公夫妻が私達をもてなしてくれた。私達への好意は公一人の気紛れじゃない、ブラウンシュバイク公爵家の意思。その事を今日の事で皆が知る事になるわ」
「……」
噛みしめる様な口調だった。もしかするとアンネローゼ様も改めて認識しているのかもしれない。
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