暁 〜小説投稿サイト〜
『堕天使と人間』
『交替』

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君は、初めての笑顔を僕に向けてくれた。

無邪気で純粋な瞳に、僕も思わず笑顔になったんだ。

そして、其の愛らしい笑顔で言ったんだ。

『ありがとう。
此で僕は人間になれる。』


そう、此で良い。
大事な感情というものを学べるんだ。

『楽しんで、悲しんで、いっぱい心で感じてね...』


君の背には、深黒の翼が無くなっていた。
消えたのか...

同時に、僕の背には、ジリジリと焼け付くようなイタミが走る。


此は取引だと君は言う。

僕に翼が、君に心が、渡りゆく。


君は笑顔で手を振る。

『ありがとう。
じゃあ、さよなら。』


君は一瞬で見えなくなった。

見えないけれど、僕も静かに言った。

『さよなら...』



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