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忘れられなければならない話
5部分:第五章
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「はい。ですからいつも私は墓を調べています」
 それをしているというのである。
「再び吸血鬼が出ないように」
「成程」
「これでこの話は終わりです」
 長老はここまで話すと口をつぐんできた。
 そのうえで。圭祐に対して告げてきた。
「忘れて下さい」
「わかりました」
 圭祐は静かにその言葉に頷いた。そのうえで朝早く村を後にした。そしてこのことは誰にも話すことがなかった。ブルガリアのある村での話である。


忘れられなければならない話   完


               2009・11・4

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