第二章
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「早く犯人見付かれよ」
「困るな」
「さもないと休めないよ」
「昼は仕事、夜は見守りで」
「誰か何とかしてくれ」
「犯人を見付けて捕まえてくれ」
こう思うのでした、しかし。
犯人は見付かりません、そしてこのことは。
当の犯人達もいいことにしてです、言うのでした。
「見付かるかよ」
「そうだよ、俺達だってな」
「見付からない様にしてるからな」
「だから真夜中に出てな」
「毎日場所をランダムに変えて石置いてるんだよ」
「悪戯してるんだよ」
実に性質の悪い悪戯です。
「駅員達も困ってるな」
「その顔見るの楽しいよな」
「世の中俺達のことで話題持ちきりだしな」
「いい感じだな」
「気持ちいいぜ」
自分達の悪事で駅員さん達が困っていてしかも世の中に注目されていることがです、彼等は楽しくて仕方ないのです。見れば全員高校生位です。
「これからもやるか」
「そうだな、事故になればな」
「それが余計に注目されるしな」
「事故になることを待って」
「どんどん置いていくか、石」
「そうしていこうぜ」
こんなことを言いながらです、悪者達は今日も真夜中に線路のところに出てその上に石を置くのでした。殆どの人が寝静まり電車も通っていない時間に。
ですが彼等がこの日も線路の上に石を置いて帰ろうとした時にです、不意に。
「ハハハハハハハハハハハハハハ!」
笑い声がしてきました、その笑い声を聞いてです。
悪者達はハッとしてでした、笑い声の方を見ますと。
電柱の上にです、黄金に輝く髑髏の顔と身体、そして黒い裏地が赤のマントを羽織った男が両手を腰にやって立っていまいsた。その男こそは。
「黄金バット!」
「まさか俺達の悪事を見ていたのか!?」
「そんな、今は皆寝てるだろ」
「近くにコンビニもないんだぞ」
車も全くと言っていい位通っていません、悪者達はまさかと思ったのです。
ですが黄金バットは確かにいました、そして。
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