第四章
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「いいね」
「好き嫌いなくだね」
「何でもね」
「食べてそうして」
「お腹一杯にするのね」
「好き嫌いを言ったらね」
それこそというのです。
「お腹一杯にならないよ」
「それこそだよね」
「そんなことしてたらね」
「まずお腹一杯にならない」
「食べないから」
「そう、お腹一杯になりたいのなら」
そして満足したいのならというのです。
「まずは食べることだよ」
「それからだね」
「好きなものもそうでないものも」
「嫌いなものも食べて食べられるようにならないと」
「そうならないわね」
「何でも食べられたらそれだけお腹一杯になるよ」
そうだというのです。
「だからいいね」
「うん、じゃあね」
「早速食べるよ」
「そのジャガイモとね」
「お豆もね」
「そうするんだ、お腹一杯になればそれだけで幸せだから」
もうそれだけで、です。お腹一杯になること程いいものはないですから。まさにそれで、なのです。ピグリンは皆にジャガイモやお豆も出しました。
そして皆はそのジャガイモやお豆も食べました、そのうえでお兄さんに言うことは。
「うん、美味しいよ」
「とてもね」
「それに何かね」
「お腹に溜まるわ」
「よし、じゃあそういうのも食べて」
そのジャガイモやお豆をというのです。
「お腹一杯になるんだよ」
「そうなるよ」
「私達沢山いて沢山食べるけれど」
「ジャガイモやお豆も食べて」
「葉も食べてね」
「好き嫌いもなく食べて」
「満腹になるわ」
こう言ってです、実際にでした。
皆で美味しくジャガイモやお豆も食べました、そしてお食事の後で皆がお兄さんに言うことはといいますと。お腹を膨らましてでした。
「もうお腹一杯」
「満足したわ」
「何処にも入らないよ」
「動けない位よ」
「よし、じゃあ皆にこれからもね」
弟妹達の言葉を聞いたピグリンはにこりとして言いました。
「ジャガイモもお豆も出すよ」
「うん、お願いするよ」
「兄さんも食べてね」
「勿論僕も食べたよ」
それもお腹一杯にです、見ればピグリンのお腹もです。ぽっこりと出ています。そのぽっこりとしたお腹を摩りながら言うのです。
「この通りね」
「じゃあこれからは毎日」
「皆お腹一杯ね」
「ジャガイモもお豆も葉も食べて」
「好き嫌いなく食べて」
「そうだよ、皆そうなるんだよ」
満面の笑顔で言ったピグリンでした、皆を満腹にして自分自身もそうなって。
ピグリン=ブラントのお話 完
2015・8・24
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