第三十三話 上村中尉!ディオラマも芸術だ!!その十四
[8]前話 [2]次話
「それで今回はな」
「マジでやばいな」
二人で話す、そして。
ここでだ、尚武は尚智に囁いた。
「で、どうする兄貴」
「ああ、今回もやるか」
「今回もだな」
「けれど料理は前回使った」
その時の火で相手のものを焼く作戦はだ。
「怪しまれるからな」
「そうだな、今回のルール火気厳禁だしな」
「プラモだから当然だけれどな」
「俺達がまたしてくるって見てるんだな、誰も」
「そうみたいだな」
二人もこのことはわかった、だが。
それではいそうですかと諦める二人ではない、それでだ。
ここでだ、尚智は尚武に言った。
「雷になればな」
「雷か」
「雷で壊れても仕方ないよな」
「そうだよな」
尚武も兄のその言葉に頷く。
「自然災害だけはどうしようもないな」
「いきなり落ちることってあるよな、雷」
「そうだろ、晴天の霹靂って言葉あるだろ」
見れば空は晴れ渡っている、雲一つない。
しかしだ、その晴れ渡った空を見上げてこの兄弟は話した。
「この空でもな」
「いきなり雷が落ちることあるだろ」
「ああ、じゃあな」
「ファミコンソフト天地を喰らうを見ろ」
ファミコンソフトの名作だ、続編もある。
「あれでいくぞ」
「司馬懿仲達の計略だな」
「それを二人でやるぞ、いいな」
「よし、やるか兄貴!」
「ああ、弟!」
兄弟は力を合わせた、そして。
二人でそれぞれの右腕を絡み合わせてだ、誓い合う様にして叫んだ。
「出ろ、俺達の策略!」
「落雷の計!」
こう叫ぶとだ、ここで。
空からいきなり雷が落ちてだ、瞬と上村が作っていたディオラマを直撃して。
瞬時に粉々にしてしまった、そして。
二人はすぐに自分達のディオラマの完成に向かった、そして完成してから言うのだった。
「よし、出来た!」
「時間通り出来たぜ!」
「けれどな!」
「そっちはどうだ!」
落雷で壊されたディオラマはというのだ。
「復元出来るか?制限時間内に」
「それは無理だろ」
「それが俺達の勝利の証だ!」
「俺達は完成したからな!」
「こいつ等またやったか」
間仁藤さんは今の時点で勝ち誇る二人をかつて有罪判決を受けながらも平気な顔で国会で正義の味方ぶって自分語りまでしてマスコミにだけ持て囃されている某女性政治家を見る目で二人を見ながら忌々しげに呟いた。
「何て奴等だ」
「おい、上の例えの文章何だよ」
「俺達そこまで腐ってねえぞ」
「俺達震災で自分の手柄を独占しようとしねえぞ」
「平気な顔で選挙に出たりしないぞ、有罪判決受けてな」
「そこまでじゃないからな」
「幾ら何でもな」
あくまで例えだ、この二人もその政治家程腐敗してはいない。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ