『涙』
[8]前話 [2]次話
僕は、君の哀しみごと包みたいと想ったんだ。
此の腕の中で、いっぱい泣いて欲しいと想ったんだ。
でも、うまく言えなくて...
ふと口をついて出たのは何とも稚拙な言葉だった。
『そっか、其れは哀しいね...』
間違った。
そう思い焦った僕は、君から視線を逸らしてしまった。
其れも違う。
僕は慌てて君に視線を戻す。
君は、不思議そうに僕を見ていた。
僕はきっと不安な表情だったんだろう。
君は、優しく微笑んだ。
そして、また淡々と言うんだ。
『それが、全然平気なんだ。
僕は何も辛くないし哀しくもない。
何も感じないんだ。』
勝手に涙が溢れてきた。
だって、何も感じないなんて...
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ