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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
キノガッサという男
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キノガッサを黙って見てられなかった。身体も動き出そうとしてたし、ユウキなら反射的にでもこうするんだろう。
だけど、
「
今の俺
(
ユウキ
)
だって兄貴やボスゴドラ姉貴、みんなのこと大切に思ってるんだ」
俺の意志は一瞬だが身体の反射神経を上回った。だからこそ、キノガッサを思う気持ちは負けてないはずだ。
「だから兄貴のトレーナーとして命令する」
こればっかりはユウキでもどうするかはわからない。だからこれは俺のわがままだ。
「『頼んだぞ』」
*
「ガッサ」
ユウキの言葉に含まれた全てを察して、キノガッサも一声鳴いた。
これは『命令』という形でキノガッサに託された。つまりこれは今までの自己満足の戦いではない。真にユウキのための戦いだ。
「実に面白い。それがポケモンとの《絆》と呼ばれるものか」
フラダリもまた察する。
これがチャンピオンと呼ばれる者の強さなのだと。
「カエンジシ、お前も覚悟を決めろ。奴らの力には全力でもまだ足りない。私とお前の全てをぶつけるんだ」
フレア団ボス・フラダリとしてではなく、
挑戦者フラダリとしてその全てをぶつけると誓った。
「未完成だが……いけるな、カエンジシ」
カエンジシもフラダリの意志を悟った。全力で駄目なら全力以上で挑む。そこで出した結論が未完成の切り札だったのだ。
ここでその選択を取れるフラダリはやはり一流のトレーナー。ならば自分も主人を信じよう。そうカエンジシは誓った。
「ォォォォォオオオン」
カエンジシが吠えながら力を抜くと、炎がカエンジシの周りで渦を巻いた。同時にあふれんばかりの力を足に集約していく。
ニトロチャージ。
本来ならそのまま突撃する技なのだが、臨界点を超えてもなおカエンジシは力を維持しつつける。
間違いない全力の技が来る。キノガッサは察するとすぐさま構えをとった。
全力以上の攻撃にはこちらもそれなりの覚悟で挑まねばなるまい。それならばちょうどいい技をキノガッサは持っていた。
左手を前に突き出し前屈立ち。右手をゆっくりと腰に据え、息を吐く。
きあいパンチ。
十分な準備と超級の気合いを拳にかけ、込める力の限りを相手にぶつける技。しかし、満身創痍どころかHP1で無理やり耐えているようなキノガッサにかけられる気合いなど残っていない。ならば今集約されている力の源は何か。
あるじゃないか。キノガッサにぴったりなものが。そう、
ーー覚悟が。
あの日ユウキに誓った覚悟を支えにキノガッサは拳を握っているのだ。まさに全力以上を相手にするにふさわしい技といえるだろう。
互いに言葉は無い。
変わりにカエンジシが口内に体内のエネルギーを凝縮してい
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