Fate/stay night
1124話
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た。……俺が前の休み時間に言った言葉の意味が分かったか?」
「……そんな、慎二が? 何でそんな……」
俺の口から出た言葉はかなりの衝撃だったのだろう。衛宮が数歩後退る。
「アーク、そこまで衛宮を責めなくても……確かにあたしはこんな風になったけど、あの時に死ぬよりはこのままの方が絶対マシだったんだからさ」
「……美綴……」
笑みすら浮かべて告げる綾子に、衛宮は何も言えずただそれだけを呟く。
「ほら、衛宮も。確かに色々と思うところはあるけど、それでも今言ったように死ぬよりはマシなんだからさ」
「けど、俺が……俺が慎二を守る為に行動したせいで……」
「そうだな」
「アークッ!」
俺の言葉に、綾子が責めるように叫ぶ。
確かに普通に人として見た場合、衛宮の行動は正しいんだろう。
けど、聖杯戦争は魔術師同士の戦い。普通の人ではただ相手の餌になるだけだ。
特に衛宮のようにお人好しであれば、幾らでも利用出来るだろう。
事実、意図した訳ではないとしても、あのワカメは自分が死ぬ、あるいは聖杯戦争からリタイアするところだったのを、衛宮に助けて貰っているのだから。
もっとも、別に俺は衛宮を助けたいからこういう事を言ってる訳じゃない。
「衛宮は聖杯戦争のマスターだ。それも、セイバーという強力なサーヴァントを持っている……な。それが易々と敵に利用されるような事になったら、こっちの被害も大きくなる」
「……」
俺の言葉に黙り込む衛宮。
事実、衛宮が召喚したセイバーというのは、凛曰く最優のサーヴァントと言われているらしい。
凛も元々は俺じゃなくてセイバーを召喚したかったらしいし。
その辺を考えれば、やっぱり衛宮にはもう少ししっかりと判断して欲しいと考える俺は、それ程間違ってはいないだろう。
「俺は……」
「お前が友人を思ってああいう行動に出たのは理解出来る。だが、結局それが原因でこの結果になったんだ。お前が言ってた責任、どうするつもりだ?」
「俺が……俺が慎二を止めてみせる!」
まぁ、そうなるよな。
ただし、こいつの場合は非道に徹しきる事が出来ない。
間違いなくあのワカメを生かしたままどうにかしようとするだろう。
これが普通の戦いであれば話は別なんだろうが……残念ながら、これは聖杯戦争だ。
「そうか。止められるなら止めてみせるといい。ただし、俺が先にあのワカメに遭遇したら、次はお前が何と言おうと奴の命は貰う」
その言葉に、衛宮だけではなく綾子までもが表情を変える。
まぁ、これはしょうがない。衛宮はともかく、綾子は幾ら普通の女子高生にしては鍛えているといっても、昨日までは殺す殺されるというのとは全く関係のない一般人だったのだから。
一応凛にその辺を
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