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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
episode2:安全保証かと期待してたら待ってたのは修行の山だったんだけど助けて
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1日2日で出来るようなモノでは無い。
そもそも未だ幻想郷に来た初日に紫から告げられた一言──私が半神であるという事すら実感が湧いていないのだ。
只の人間が飛ぶのは普通ではまず不可能らしいが、異質な血が混じる種族であれば話は別だ。
神の血族は所謂『神通力』を使って事を成すものらしく、私の中にもその神通力とやらが巡っているらしい。
その神通力を特殊な方法で働かせる事により、私は飛ぶ事が出来るという。
が、そこは今まで現実世界……『外の世界』で暮らしてきた私には縁の無い話。『お前には空を飛ぶ資質があるから飛んでみろ』で飛べるなんて都合の良い話は無い。
大事なのはイメージする事だと教えられた。が、そう簡単にイメージが湧くはずも無い。
「ふむ……こればかりは私が干渉できる事柄では無いからな……ヒメノが直接習得せねばならない。山の巫女ではないが、時には常識に囚われぬ事も重要だぞ?」
うん、『この幻想郷で常識に囚われてはいけないのですね!』ってヤツだね。また守矢か。
常識に囚われるなとは言っても、今まで『人間は空を飛べない』という根底意識が染み付いているのだ。今思うと早苗さんはよく幻想郷に即適応出来たなと感心する。
「うーん、まあ頑張ってみる。結界の修復はもうちょっと掛かるんでしょう?」
「ああ、それまでに習得できれば良し。出来なくともまあ良し。此処に残るという選択肢もない事はないが、お前も早く帰りたいだろう」
「そうだね、記憶も結局戻らないままだし。これが戻らない限り、戻っても路頭に迷うだけだしね」
「ああ、頑張れよ」
ヒメノの頭を抱いて、その髪を撫でる。ヒメノも嬉しそうに藍に抱き付いた。
──おかしい
藍の思考には、常にその疑問だけが残っていた。
ヒメノが此処にやってきてから既に2週間が経過した。紫とあの巫女が二人掛かりで修復に回れば、3日と掛からず修復は終わるだろう。
幾ら何でも、遅過ぎるのだ。
──紫様、何か問題があったのですか……?
その疑問に答えを示す者は、誰もいない。
「ねぇ、紫。これはどういう事なの?」
霊夢の焦り混じりの疑問に、紫も内心冷や汗を掻きながら答える。
「……正直、分からないわ。結界が暴走しているのか、それとも第三者による干渉かは分からないけれど……」
内側から、結界を超える事が出来ないのだ。
結界の修復は完了した。本来ならば結界は正常な状態に戻り、ヒメノを外に送り返す事が可能となる。
が、今や結界は内側からの干渉を拒んでいる。紫の操る『スキマ』でさえ、外の世界には出られない。
まるで幻想郷そのものが、ヒメノという
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