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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十五話 集う者たち
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姿を消したのだ」
「ッ……!」
ヴィヴィオを含む一部のメンバーが、大きく目を見開いた。ここに居るメンバーの中で特にその“テロ事件”の関係者である三人が、痛みをこらえるように顔をゆがめる。
「理由は、よくわからないんだよね。病気とか、ケガとか、いろいろ考察は聞いたけど……あ、でもそのあたりは、妹の君のほうが知ってるのかな」
「えっ、あ、え、う……その……私、は……」
「え、えっと、大丈夫……?ご、ごめんボク言いにくいこと聞いたかな!?」
「い、いえ……!」
なぜかすさまじく顔を青くして体をビクッと硬直させたヴィヴィオに、困ったようにセイルが問う。その様子を、ライノを除くほかの男子メンバーは首を傾げ、逆に子供たちは、気遣わしげに彼女と、ナンバーズを見た。
……知っている。確かに、セイルの言う通り、高町ヴィヴィオはその理由を、とてもよく知っていた。
兄がその年、都市本戦を辞退せざるを得なかった理由。そしてその原因を、本当によく、知っている。
「ッ…………!」
恐怖をこらえるように、ヴィヴィオは自分の腕をぎゅっと握りしめた。
ほんの少し前のヴィヴィオなら、ここまで恐ろしいとは感じなかったかもしれない。しかし、今のヴィヴィオは知っている。
IMというこの輝かしい場で、自分の夢を追うことの楽しさ、すばらしさを。きっと当時のクラナにもあったはずだ、世界代表戦で優勝する。次元世界最強の十代男子になるという、とても尊く、キラキラした夢が、あったはずだ。
クラナだけではない。今この場に居るメンバーがクラナを語るとき、皆一様に、どこか憧れるような、楽し気な表情をしていた。当時のクラナには、今よりずっと、そういうファンが居たはずだ。自分たちが今の女子の部の上位選手に憧れるのと同じように、クラナに憧れ、クラナを目標とした人たちも居たはずだ。
その全てを、「自分が原因で」奪ってしまったのだとしたら……?
頭のどこかで、自分の性とは言えないと叫ぶ声がした。しかし、実際にことは起きた。クラナの母は自分をかばおうとして死に、それによってクラナは心に、いや、ヴィヴィオ自身の手で、体にも大きな傷を負った。すべては、やり直せない事実だ。
「ぁ……」
息が、うまくできない。
心臓の音が、普段より大きく聞こえる。バクンバクンと、破裂しそうなほど大きな心音が、耳の中でうるさく響いて……
「けど。彼奴は戻ってきた」
その音を、ライノの声が遮った。真っすぐにスタジアム中央のリング群を見つめながら、ただ静かに言う。
「俺達には、それだけで十分だ。だろ?」
「……まぁな」
「無論、最重要なのは、白翼がこの場に来たということだ」
「僕ら全員、それにワクワクしてるもんね」
「……ん」
「…………」
片目をつむって同意の意思を問う
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