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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十五話 集う者たち
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新品などではなく、多くのつらい練習を彼とともにしたのだろう使い込まれたジャージであることが分かる。

「シュウ・ランドルフィーネだ。ここにいる全員が、今日から始まるこの大会のために多くの物を費やしてきていることと思う。それらを出し切り、どうか悔いの無いよう、正々堂々、精一杯戦ってもらいたい」
そこに集まった千を優に超える参加者を見ながら、彼は腕を組んでいった。

「[闘技場というこの場においては、年齢も、経歴も問わない。ただ純粋な実力と、スポーツマンシップのみが求められる。今年も、自他共に恥じることのない戦いをするとしよう!!!]」
「「「「「ウオオォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」」」」」

────

「す、すごいですね……」
「空気がびりびりしてる……」
「うっはは!シュウの奴、はりきってんなぁ」
女子の部のどこか華やかな雰囲気と違い、まるで戦争でも始まるのではないのかと思うようなすさまじい熱気と闘気を肌で感じながら、コロナとリオが圧倒されたようにつぶやいた。

「すごい……」
「(なんて覇気……)」
雰囲気に当てられたかのように硬直する四人の子供たちを見回してライノが苦笑する。

「おまたせしました」
「みなさん、どうぞ」
そんな事を言っていると、双子組がジュースとバケットを持ってやってきた。午前の試合を終えたため、メンバーはここで昼食なのだが、それを控室に取りに行ってもらっていたのである。

「ありがとう、オットー、ディード」
「このくらいお安い御用です」
「姉さま、ライノさんもどうぞ」
「おっ、ありがたいっす!」
「「「「いただきまーす!」」」」
ちなみに、本日の昼食はなのはが腕によりをかけた「頑張れットサンド」である。なのはママの愛情と高町教導官の経験たっぷりの腹と精神を満たしてくれるバケットサンドだ。
何?ガン・バレット・サンドの間違いではないか?
そう聞こえてしまうのは貴方の背後に桃色の弾丸が迫っているせいだろう。気のせいだ。

「「「「ん〜♪」」」」
「腹にたまるし、疲労回復、栄養効果も完璧と来たか……お前の母ちゃんホントすげぇよな」
「えへへぇ……自慢のママですから」
むふん、と胸を張るヴィヴィオに微笑して、ライノはもう一口かぶりつく。美味い飯に、世話を焼いてくれるメイドとバトラー……これほど好条件で試合観戦をしているものもほかにいるまい。そんな風に思って……

「どうぞ、セイル」
「ありがとう、レイシア。……ん」
「お口に合いましたか?」
「うん、すごくおいしい。いつもありがとう」
「……あぁ、いや……いたわ、そう言うやつ」
ややあきれ顔で口元を痙攣させながら、ライノは振り向く。少し上のほうの席の傍らに、何故か白い髪にガーネットをおもわせ
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