第1章:平穏にさよなら
第11話「限界を極めし者」
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「くっ...!」
「今のは...危なかった...!」
しかし、それは少しダメージを与えただけで、片方の手に受け止められてしまった。
「っ....!」
「...っと!」
受け止めた手を肘で巻き込むように振り払い、そこを木刀で突く。しかし、それは躱されてしまう。
「....ふぅっ...!」
一息吐き、木刀を構えなおす。今のでほぼ仕切り直しになったようなものだ。まだまだ戦いは続くだろう。
「...すぅ〜....っ!」
このまま防御していても負けるだけだ。護身術として鍛えてきた僕としては、得意ではないけどここは攻勢に出るべきだ。
「ふっ!はっ!せいっ!」
木刀は木刀を防ぐために使い、主な攻撃は空いている手だけで行う。足を攻撃に使うと隙が大きいからな。カウンターでは使うが、今は控えておこう。
「む....!これ...は....!」
段々と僕のペースに引き込んでいく。受け身な戦い方になる護身術とは言え、自分のペースに引き込まないと勝てないため、こうやって自分のペースに引き込んでいる。
「(受け流し、カウンター、もう一度受け流し...!)」
恭也さんの攻撃を誘い込み、何とか防御を安定させる。こちらの攻撃は一切通用してないけど、カウンターなら何度かいい所まではいける。
「(これなら....!)」
何とかいける。....そう思った矢先、
カァアン!
「ぐっ....!?」
受け流そうと木刀を受けた瞬間、手に大きな衝撃が来て木刀を落としてしまう。
「しまっ....!?」
僕から見て左から右に逆袈裟に振られた木刀はそのまま、反転して袈裟に振られてくる。
「っ....!」
「なにっ!?」
受け流す木刀はない。避ける暇もない。なら、どうするか?
―――素手で受け流す。
右手の甲で木刀の腹を振り払う様に押し、逸らす。さすがに恭也さんも素手で受け流されるとは思わなかったようだ。ちゃんと刃には触れないように受け流しているし。
「シッ!」
すかさず、左足で足払いを繰り出し、少しばかり動揺した恭也さんを飛び退かせる。その隙に僕は取り落とした木刀を拾い、構えなおす。
「(なんなんだ?今のは...木刀を受けた瞬間、衝撃が腕に直接響いたような...。)」
「(今のは...まさか、素手で受け流されるとはな...。)」
互いに攻めあぐねる。恭也さんもさっきの受け流しで動揺しているみたいだ。
「(....今までは正面から受け流していたが、横から払った方がいいか...?)」
「(“徹”を使って引き込まれかけていたペース
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