第1章:平穏にさよなら
第11話「限界を極めし者」
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=優輝side=
「...う〜ん、来るのは、いつぶりかな...?」
車で送られ、翠屋の前に着く。
「あれ?優輝さん、翠屋に来たことがあるんですか?」
「まぁね。ここのシュークリームは相当有名なんだし、特におかしくもないと思うよ?」
何度か買いに来たことがある。普通に買って普通に帰ったから向こう側からすれば特に印象に残らなかっただろうけど。
「あー、確かに...。」
「じゃあ、入ろうか。」
ふと思ったけど、どうして態々店に呼び出したんだろう?今は仕事中だからかな?
「いらっしゃいませー。あら、アリサちゃんにすずかちゃん。」
「こんにちは桃子さん。」
「こんにちはー。」
店に入ると、若い茶髪の女性が出迎えてくれる。どうやらアリサちゃんとすずかちゃんの知り合いらしく、気軽に挨拶を交わしている。
「今日はなのはと一緒じゃないのね。どうしたのかしら?」
「いえ、今日は士郎さんに呼ばれてて...。」
「あら?そうなの?じゃあ、呼んでくるわね?適当な席に座って待ってて。」
そう言って奥へと引っ込んでいった女性。....とりあえず、手ごろな席に座るか。
「ん〜...どの席がいいか...。」
「...あれ?お兄ちゃん、あそこに座ってるのって...。」
緋雪が何かに気付き、その示した方向を見る。
「...司さん?」
「ゆ、優輝君!?」
そこに座っていたのは、なんと司さんだった。僕が司さんの名前を呼ぶと、司さんも僕に気付いたのか驚いた声を上げる。
「あ、司さん、こんにちは。」
「こんにちはー。」
「あ、アリサちゃん、すずかちゃん、こんにちは...。」
驚きを隠せてはいないけど、律儀に二人に挨拶を返す司さん。
「優輝君、どうして翠屋に...?」
「あー、えっと、士郎さんに呼ばれてね。司さんはここによく来るの?」
「...まぁね。顔見知りの喫茶店だから落ち着けるし。...今日は、今日の恥ずかしい思いを落ち着かせるためでもあったんだけどね...。<ボソッ>」
...うん?後半がなんか聞き取れなかったけど...。
「あ、せっかくですから、相席いいですか?」
「えっ?あ、いいよ。一人だけだと占領してるみたいで嫌だったし。」
すずかちゃんが司さんにそう聞いて、良いみたいなので相席させてもらう。
「...地味に、ちゃんと翠屋の席に座るのって初めてだなぁ...。」
「そうだねー。」
僕の呟きに緋雪も賛同する。今まで来たときはシュークリームを買ってすぐ帰ってたし、喫茶店としては利用してなかったなぁ。
「じゃ
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