第3章 リーザス陥落
第60話 森に住む少女
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にいるメンバーは一癖も二癖もあるメンバーだから、早めに合わせたほうが楽……と思ったのかもしれない。
「とまあ、早めに進もう。またランスがヘソを曲げかねない」
ユーリはそう言って指をさした。シィルは慌ててランスの後を追い、……そして、遅いと言われ頭を叩かれていた。
「……あいつ、私が必要なのか? あのコだけで十分じゃないか。……灯台でも思ったが。……ああ、思い出しただけで、腹が立つ」
フェリスは思わずランスを見てそう呟いていた。
そして、灯台での肉体労働も思い出しているのだろう……、何やら深くため息をしつつ、苛立ちもみせていた。
ランスの傍に仕えているシィル。……あれだけ従順な奴隷がいるのなら、と思えるのだ。
……でも、ランスがシィルを見る目が他人とはまるで違うと言う事は何となくだが判っていた。
その後何度か彼女に遭遇し、ランスが捕まえようとするのだが……、森と同化する様に透けていき、見失ってしまうのだ。それが何度もあった。。
「森を知り尽くしてる、か。同化しているのが判らないな。人間である以上、何か方法があるのだとは思うが」
「そうね。……あれは魔法の類じゃないわ。魔力が感じられないもの。だからこそ、察知ができないから、厄介よ」
志津香もそう言う程のものだった。だが、これを越えられれば、光明が見えてくる事実もあった。
「だが、森を知り尽くしてる、と言うのなら、この森に生息している聖獣ユニコーンの場所とかも知ってるだろ? 闇雲に探すより、あの子を探す方が遥かに効率的だな。……この森は、矢鱈広いし」
ミリがそう言っていた。そう、森を知っていると言う事は、その可能性もかなり高い。
素直に従ってくれる……と言うのは希望的観測だが。
「む……いい加減面倒くさくなってきたぞ。おい、かなみ。さっさとあの娘を攫ってこないか」
「無茶言わないで。あれだけ森と同化して、溶け込むように逃げられたら追いきれないわ。それに、あまり分散するのも得策じゃないと思うし」
「お前の十八番だろ!」
「わ、わぁ! わぁ!! ランス! 黙って!!」
それは、かなみの過去の事だ。
リアに命じられ ……罪もない少女達を攫った時の事を言っているのだろう。あの頃のかなみではないし、罪滅ぼしらしい事は出来ているとは思えないが……、それでも あまり行って欲しい事ではないのだ。
ちゃんと、自分は出来ているだろうか、とかなみは不安に成る時だってある。……リアの事もあるからこそ、妄りに自分の過去を話したりが出来ない。……誰かに気安く打ち明ける様な事も、出来ない。だからこそ……不安になるんだ。
かなみは、そう考えていたその時だ。
「……大丈夫だ。判ってるよ」
「……っ///」
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