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妖精の守護者 〜the Guardian of fairy〜
妖精剣
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 帝国人、人、人間族。ここ数百年の間、世界の覇権を握ってきた種族の王。大陸の中心を都としたほぼ全土を領域にしつつある蛮族たち……それが妖精たちの見解だ。近年では、北のエルフィン族を侵食しつつあり、その最北端であるラーラ・ガリア、妖精大国を狙うのも時間の問題、とされている。

「実際、奴らは強い。だからこそ、豊かじゃないか! 日々、最低限の生きる糧だけで満足しているあんたたちは、あいつらに勝てるっていうのかよ?」

「……そいつぁやってみなけりゃわからん。人間は、確かにおかしな力を使う、危険な連中だ。光陰のごとき速さで他族を制圧し、今や奴らに逆らう連中などどこにもいないかもしれない。しかしだ……誰かの幸せを奪ってまで豊かになることに何の意味がある。血まみれの手で手に入れた幸福は、誰かを笑顔にしているとしたら? 決して許されることではない……」

 綺麗ごとばかり並べやがる。幸福の理由なんて関係ない。奪った飯で助かる命もある。奪った金で救われる奴がいる。
 ……俺の考えは、帝国人に向いているのだろうか。
 もしかしたら、俺はかつて帝国に住んでいたのだろうか。何かの間違いで、こんな奇抜な連中がいる場所に飛ばされて……何かの策力で、ゴーレムにされちまったのか?
 くそ……ならいっそ、こんな場所、出て行ってしまえたなら……!
 自由なら、どれだけよかったか……!


(アスタリア祭、大会に勝つと何でも願いを叶えてくれるらしいわよ)

 いいだろう……。
 俺は帝国に行く。
 そのためには、ゴーレムという契約が障害になってくる。
 妖精共の奴隷として一生を終えるなんて絶対に嫌だ。
 胡散臭い話ではあるが、妖精王が見に来るということは何かしらの手立てがあるのかもしれない。

「わーったよ。俺が悪かった。こいつを売るのは止めだ。今日から俺の相棒として扱き使ってやる」

「おい! 簡単に扱うんじゃねぇ! 災いを呼ぶって言ってんだろうか!」

「んなこといっても、これしか武器がねぇんだよ」

「よしみだ! こいつをやる! だから絶対に、ここぞという時以外絶対! そいつを振り回すんじゃねぇぞ!」
 ラッキーなことに、ハゲは俺でも扱える軽い片手剣を鞘ごと投げて寄越した。面白いのでもういっぺんからかっても良かったが、ハゲのゴーレムであるオウラがずっと俺を見ているためやめておいた。気づいて本当に良かった!
 ……アヴェル……とかいうこの大剣は重いし、気味が悪いので出来れば使いたくないっていうのが本音だ。
 曲がり道をしたが、当初の目的であるアスタリア祭への出場を決意した俺。
 だが、大会まであと四日しかない。今から死ぬほどの特訓をしても、流石の俺でも厳しいものがある。
 なんとしてでも今年中にゴーレム卒業を果たし、
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