Another98 これからについて
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の?」
「昨日の夜こっそりと先輩の部屋に失礼したのよ」
アリサ「(不法侵入じゃない!!)」
「先輩が作っていたぬいぐるみはデジモンばかり。私はそれらを見て悟ったわ」
「な、何を?」
「な、何なんだよ?教えてくれよ!!どうして本宮先輩はぬいぐるみ作りなんて…材料費とか手間とか馬鹿になんないし」
「そうよ。でも先輩がわざわざデジタルワールドのことで忙しいのに、これほどの時間と手間をかける理由。それは、ぬいぐるみが先輩の戒めになっているからよ!!」
アリサ「(はあ?)」
【おおおお!!!!】
後輩から発せられた予想外の答えに、他の後輩達は感心の声を上げる。
「このぬいぐるみ達のモデルになっているのは、仲間だけじゃなくて先輩が心を痛めながら倒したデジモンもいるはずよ!!先輩は散っていった命があることを忘れないために姿を模したぬいぐるみを作って、そのデジモン達の供養のために手間暇をかけているのよ!!先輩の神の如く広く温かな慈愛に満ちた心があんた達には分からないの!!?」
アリサ「(……とりあえずあんた今すぐにでも病院に行ってきなさい)」
「くっ、大輔先輩の気持ちも知らないで俺は大輔先輩のことを、“ぬいぐるみ作りなんて可愛い趣味持ってんだな”なんて…俺の馬鹿野郎!!」
涙を流しながら叫ぶ後輩。
アリサ「(まあ、ああいう物作りは嫌いじゃないけどねあいつは)」
「本宮先輩…死んでいったデジモン達のために自分の時間を捧げるなんて…本宮先輩の懐の深さが計り知れません」
何故か感動している後輩。
アリサ「(いや、大輔は普通に自分の時間使ってるから)」
「そうだったのか…。大輔先輩、先輩の気持ち、ちゃんと俺達に伝わりました。やっぱり大輔先輩が、俺達のリーダーなんだ!!」
【おお!!】
アリサ「(あんたらの中で大輔の心が行方不明状態よ…)」
「で?そのぬいぐるみ…ヴァンデモンとヴェノムヴァンデモンとベリアルヴァンデモンだよな?何でよりにもよってそれなんだ?他にもあるだろ?例えばインペリアルドラモンとかマグナモンとかゴールドブイドラモンのぬいぐるみとか」
「最初はゴールドブイドラモンのぬいぐるみにしようかなと思ったけど、先輩、最近忙しいじゃない?先輩だって人間だもの、ストレス発散しなきゃ。」
「そっか、ヴァンデモンは先輩が大嫌いなデジモンだもんね。」
「なる程、サンドバック代わりか」
「そういうことよ。先輩…どうか、このヴァンデモンぬいぐるみシリーズに先輩の日頃の無念をぶつけてください」
お見舞いから帰って大輔が後輩達から大嫌いなヴァンデモンを模したぬいぐるみを貰うのは今から数時間後であった。
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