三話:魔導士殺しのエミヤ
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いった者達が魔法遺産を作っていた可能性は十分にあるのだ。
というよりも実際に数は少ないがああして存在していたのだ。
そうしたものが今でも伝説やオーパーツとして語り継がれている。
因みにグレアムはムー大陸もロストロギアで滅んだのではないかと睨んでいる。
「最初は質量兵器を禁止している平和な世界だと思ったよ。でも、武器を奪ったところで争いは起こる。地球でも貧しい国に紛争が絶えないように次元世界でも貧しい世界では争いが絶えない」
表情は変わらないが握りしめる手に力がこもっているのを見るに切嗣にとっては許せない事なのだろう。
そもそも兵器がなくなれば争いが起きないというのは安易な考えだ。
人類は棍棒さえあれば戦争を起こせるのだ。
寧ろ地球で言う核抑止力の方が争いの数は減らせるだろう。
正し、一度起きれば世界は滅びるが。
逆に言えば武器の威力が低ければそれだけ小競り合いは起きやすい。
最も、その場合は相手より強い武器を求め結果として古代ベルカのようになるだけだろうが。
「管理局はあくまでも平和を維持する機関だ。よほどのことがなければ武力介入はできない。でも管理世界ですら紛争は絶えない。平和に見えるのは表面だけだ」
如何に管理局が次元世界の平和を守っているとはいえ世界の中の小国同士の紛争まで手を出すことはしない。
そもそも管理局にそれだけの余裕はない。数年おきに新たな世界を発見している状態なのだ。
誰がどう考えてもそのうち首が回らなくなることは見えている。
それでもロストロギアが危険なために世界を広げなくてはならない。
地上部隊も治安維持で精一杯で戦争をすることなど出来ない。
「でも非殺傷設定がある。それだけでも進化しているわよ」
「本当にそう思うかい、アリア?」
「どういうことかしら…?」
「僕は勘違いをしていたよ。非殺傷設定は人の殺意すら抑えられるんだとね。でも違った。進歩したのは技術であって人間じゃない」
どこか疲れたようにアリアに返す切嗣。
切嗣とて非殺傷設定という機能には初めは心を打たれた。
しかし、そんなものは幻想に過ぎなかった。
人を殺すのに必要なのは大層な魔法ではなくただの殺意なのだ。
「人間なんてそこら辺に落ちている石一つあれば殺せるんだ。質量兵器がなくとも、魔法がなくとも人を殺す方法はいくらでもある。アリア、君は人間がどれだけの歴史と知性を費やして殺人のテクノロジーを育んできたか分かるかい?」
そう自嘲するように問いかける切嗣。彼は人間がどれだけの歴史と知性を費やして殺人のテクノロジーを育んできたかを身をもって学び取った。
誰かを助けたいのに殺す技術だけ上手くなっていく。
何という矛盾かと自分でなければ大笑いしてやりた
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